事務年報2016
国税庁のポームページで、平成28年(2016年)度事務年報が掲載されました。
この「事務年報」、いち国民に馴染みのあるものかといえば、そうとは言い難い物ではないでしょうか。
税金に関わる職業である税理士であっても、恐らくそれは同じです。
事務年報の内容を逐一チェックしているという税理士は、少なくとも私の周りにはいません。
事務年報を隈なくチェックするとすれば、学者や民間の経済研究機関などどなるのではないでしょうか。
そもそもこの事務年報がなぜ作成されているのかということですが、国税庁によると、
国税庁では、適正な申告を行った納税者に不公平感を与えないよう、悪質納税者には厳正な姿勢で望むなど適正・公平な課税・徴収に努めている。
税務行政の推進には納税者の理解と信頼が不可欠で、国税庁としてはその施策や事績などをお知らせしている。
事務年度もこうした取組の一環で、納税者に税務行政の現状をお知らせするという目的で、毎事務年度(7月から翌年6月)の国税庁の事務運営の状況や各種計数を取りまとめたもの。
ということになります。
なお、国税庁は「税務行政に対する御理解を深めていただくための一助となれば幸いです。」というコメントを残しています。
分量は相当
平成28年度の事務年報は、約200ページに及びます。相当な分量です。
半分の100ページ近くは、用語の解説や資料となっていますが、それでも残り100ページです。
事務年報を読み解いたり、分析したりするのが仕事ではない限り、余暇を見つけて読むことになりますが、そうしたことが趣味でもない限り、率先して食指が動くものでもなく、学者や民間の経済研究機関が主だった読者となることは間違いないのではないでしょうか。
ただ学者や民間の経済研究機関にしかその価値が見出せないのかといえば、そうではありません。
この事務年報を見ることで、様々な情報を得ることができます。
どのような情報が掲載されているかは、ざっと目次をみて頂ければわかるのではないでしょうか。
各税目の調査や指導の状況や国税職員の給与に関すること、各制度や組織に関することなど、人それぞれ関心を持つ内容は異なるのではないかと思います。
事務年報は国税庁のホームページから無料で取得することができます。
目次を見て、気になる内容のところだけざっと読む。
このような利用方法があってもよいのかもしれません。