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税理士って?

「税理士って?」

日本税理士連合会から発行されているパンフレットのタイトルです。
サブタイトルは「一生の仕事を探すなら」。

どうやらこれから税理士になろうという人のための冊子のようです。毎年8月に税理士試験がありますので、それが終わるタイミングで配られたのかと思いきや、以前より作成されていたパンフレットでした。
日本税理士連合会のホームページにも学生向けパンフレットとして掲載されております。

学生に限らず「税理士って何やっているの?」と聞かれる事は残念ながら良くあります。

「税」という言葉が入っていますので、税金に関することを仕事にしているというイメージは持たれているのだろうと思いますが、具体的にはなかなか浮かんでこない、というところが現実ではないでしょうか。

それもそのはずで、働いている人の割合で最も多いのは、給与所得者、いわゆるサラリーマンです。給与所得者の税金は、通常、年末調整が行われ会社を通じて精算されますので、基本的に「税理士いらず」となります。住宅ローンや医療費で確定申告が必要になったとしても、それ程専門性を要しない内容ですので、自身で行なわれることが多いのではないでしょうか。

このような方が税理士と関わることになるとすれば、相続が発生したときなどになるのですが、税理士という仕事が周知されていなければ、「税理士に聞いてみよう」ということにもなりませんので、広報活動は必要になります。

パンフレットの内容に「税理士の仕事」というものがあります。医者や弁護士の仕事が法律で定められているように税理士の仕事も法律で定められています。

  • 税務代理
    納税者を代理して、確定申告、各種の申請・届出、税務調査の立会い、不服が申し立てなどを行います
  • 税務書類の作成
    納税者に代わって、確定申告書や申請書・届出書などの書類を作成します
  • 税務相談
    納税者からの税金に対する相談に応じます

これら3つの業務が法律で定められた税理士の仕事となります。これら3つの業務は、たとえ無料でも無資格の者は行うことができません。

法律で定められた業務は3つですが、もちろんこのほかの業務も行っています。

決算書類の作成や帳簿の記帳などの会計業務、経営コンサルタントなどは、税務業務との親和性が高いこともあり、税理士が行っていることがほとんどです。
このほか租税に関する訴訟に関する補佐人、成年後見人、会計参与、外部監査人、登録政治資金監査人などを引き受けることができます。

税という分野をベースに様々な業務に携わるのが税理士といえるのかもしれません。

税理士に罰則も?

税理士にとって注視すべぎ報道がありました。

財務省や国税庁が租税回避行為を指南する税理士に、その仕組みの開示を義務付ける方針ということです。さらにこの開示を拒んだ場合の罰則も設けるとありました。

悪質な課税逃れを把握するのが狙いのようですが、適切な助言も開示対象に含まれるようです。

複数の基準を満たした場合に開示が要求されるようですが、租税回避行為について報酬を受け取る、納税額を減額させるための損失を計上させる、守秘義務がある、などが基準として検討されているようです。いずれも通常の税理士業務の範囲内のように思われ、税理士が業務を行っている限りは開示義務が生じるのではないかと暗に考えてしまいます。

アメリカなどでは既にこのような制度が導入されており、こうした動きは以前からあったようですが、いわゆる「パナマ文書問題」が追い風となっているようです。
9月には検討に着手し、2018年度からの実施を目指すということですが、現段階では注視するとしか言えない状況ですね。

ところで、「税理士、租税回避、罰則」という言葉を並べると、税理士が何か悪いことをして罰を受けるように思えてしまいますが、これは事実とは異なります。
今回の報道は、国などの課税庁側が税理士に対して、情報提供をさせようとするもので、そこに強制力を持たせるために「罰則」が設けられるというものです。

また、「租税回避」も言葉のイメージが悪いのですが、違法ではありません。もし違法であるならば「租税回避行為を指南する税理士」ということ自体が成り立ちませんので、その開示を義務付けるといったこともあり得なくなります。

脱税と誤解されやすいのですが、脱税と租税回避行為は異なります。脱税は犯罪です。

脱税と租税回避行為の違いについては、また別の機会に改めたいと思いますが、この2つは明確に異なります。

斜線の遺言書

遺言者自ら斜線を引いた遺言書は有効かどうかが争われた訴訟で、無効という最高裁判所の判決がありました。

この斜線は民法1024条前段により遺言を撤回したものとみなされる「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというのがその判断の根拠のようです。

一般的な感覚としては、最高裁判所の判決のように「斜線を引いているのだから無効でしょう。」と考えると思うのですが、地方裁判所、高等裁判所では、「元の文字が判読できる程度の斜線では効力は失われない。」とする判断で、遺言書は有効とされていました。
自筆証書遺言に改変等を加える行為については民法968条2項によって厳格な方式が定められているというのがその判断の背景にあるようでした。

結局、「赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は、一般的にそこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当」という判断のもと無効とされました。

遺言の種類は基本として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類に分かれます。
それぞれについて特徴があり、メリット・デメリットがあります。今回の場合は自筆証書遺言のデメリットが現れてしまったと見るべきでしょうか。

今回のようなケースでは、弁護人となれるのは弁護士のみのため、税理士が直接に係わるようなケースではありません。
しかし、実際の相続では、権利義務、手続き、相続税や調査など様々な専門家が必要とされます。
大まかに言えば、相続に関する権利義務や訴訟などは弁護士、登記は司法書士、相続税の計算・申告は税理士というような分類になります。もちろんその他の専門家が関わることも多々あります。

では、それぞれについて個別に相談や依頼をしなければならないのかとうと、そうでもありません。
ほとんどの場合、他の士業の方と提携をしていたり、繋がりをもっているので、いわゆるワンストップで終えることができると思います。

しかしながら専門以外のものは知らぬ存ぜぬというわけには行きません。私は税理士という立場ですが、今回のようなケースも予備知識として蓄えていくことが問題解決の糸口をつかむためにも重要になります。

税金、手続き、権利義務など、ご自身が一番悩まれている内容に該当する専門家にご相談頂ければ、そこから解決が図れることと思います。

チャレンジ2020

チャレンジ2020は「2020年の東京五輪までの2020日間、毎日誰かがフルマラソン(42.195km)を走る市民参加型のイベント」です。フルマラソン52日連続完走の元ギネス世界記録達成者の楠田昭徳さんが、毎朝9時よりさいたま市の別所沼公園で主催しています。

雨にも負けず、風にも負けず、雪にも負けずと天候不問で行われます。

駅伝やリレー形式で2人以上が分担して走ることも可能なため、11月11日から17日は「税を考える週間」ということもあり、税理士会浦和支部も参加しています。実際に走るのは支部の税理士やその家族などです。

このチャレンジ2020、達成した暁には世界記録になるそうです。

私自身も2週程度ですが、本日走ってきました。ちなみに1週は約920mです。
無事に終えることができてなによりでした。

ご興味のある方は「チャレンジ2020」と検索して見て下さい。

法人税等の調査実績

国税庁から平成26事務年度の法人税等の調査実績が発表されています。

  • 法人税 調査件数95,000件(前年比104.9%)、追徴税額1,707億円(前年比107.3%)
  • 消費税 調査件数91,000件(前年比105.4%)、追徴税額118億円(前年比105.8%)

前事務年度に比べて調査件数、追徴税額とも増加しているようです。

また、主要な取り組みとして以下の項目が挙げれれています。

  • 消費税還付申告法人に対する取り組み
    調査件数の半分以上が非違があったとされています。また、1割前後に不正計算があったとされています。
  • 無申告法人に対する取り組み
    調査件数自体は減少しているようですが、追徴税額は免れません。
  • 海外取引法人等に対する取り組み(法人税、源泉所得税)
    海外取引法人等に対しては、租税条約等に基づく情報交換制度の積極的や活用や、経済の国際化に伴う企業や個人による国境を越えた経済活動が複雑・多様化する中、非居住者や外国法人に対する支払(非居住者等所得)について深度ある調査を実施しているとしています。

いわゆる国際課税は、例えば居住者や非居住者の区分など、国内と比べて課税要件が複雑になります。
税理士への相談も増えてくるのではないでしょうか。

調査等の状況

国税庁から平成26事務年度における所得税及び消費税調査等の状況が発表されています。
事務年度は7月から6月ですので、平成27年6月までの状況と言うことになります。

発表の内容ですが、調査等の合計件数は

  • 所得税74万件(前事務年度89万9千件)
  • 消費税8万6千件(前事務年度7万6千件)

であり、追徴税額は

  • 所得税742億円(前事務年度696億円)
  • 消費税186億円(前事務年度169億円)

でした。

また、この発表ではトピックスとして、以下のものに平成27事務年度においても積極的に取り組むとしています。

  • いわゆる「富裕層」への対応
  • 無申告者に対する調査状況
  • 海外取引を行っている者の調査状況
  • インターネット取引を行っている者の調査状況
  • 金地金等に係る譲渡所得の調査状況

上記のような取り組みは我々税理士にとっても深く関わってくるものです。
例えば、加算税や延滞税などの罰則的な税金は適正に申告を行っていれば払うことのない税金です。

知らなかったでは済まされないのが税金ですが、正しい知識を持って、適切な助言をするのも税理士の仕事の1つです。

ソフトボール大会

スポーツの秋ということで、ソフトボール大会に参加してきました。

この大会は埼玉県内の税理士が所属する各支部の対抗戦です。
同時に野球大会も行われました。

大会はトーナメント方式で行われ1日3試合と言うハードな日程でしたが、1日中天気もよく大会日和でした。

さて、私が所属する浦和支部ですが、準優勝と言う結果でした。

同点で最終回を終えましたが、時間の都合上、ジャンケン決戦となり惜敗してしまいました。
普段はデスクワークが多い税理士が、体を動かすこともあり大いに盛り上がりました。
野球は3位だったようです。
ソフトボール、野球とともに来年は優勝できるといいですね。

まずは明日の筋肉痛との闘いです。

マイナンバー詐欺

マイナンバー詐欺があったようです。

その手口は以下の通りでした。

  1. 公的な相談機関を名乗る人物から電話があり、偽のマイナンバーを伝えられる。
  2. 別の人物から電話で公的機関への寄付を理由にマイナンバーの貸与を求められマイナンバーを伝えた。
  3. 後日寄付先からマイナンバーを教えたことは犯罪に当たると言われ記録を改ざんするためとして現金を要求された。

上記のほか、不審な電話等に関する相談が全国の消費生活センターに寄せられています。

以下のものは詐欺の手口です。ご注意ください。

  • 国の関係省庁や地方自治体などが、口座番号や口座の暗証番号、所得や資産の情報 家族構成や年金・保険の情報などを聞いたり、お金やキャッシュカードを要求したりすること。
  • ATMの操作を促すこと。
  • マイナンバーの安全管理対応の困難さなどを過度に誇張した商品販売や不正な勧誘など。
  • マイナンバーの関連であることをかたったメールが送られてきた場合、自分の勤務先など送付者が明らかなものを除き、安易に開封しないよう、注意してくださいウイルスの可能性があります。
  • マイナンバーは、「通知カード 個人番号カード交付申請書 在中」、「転送不要」と赤字で書かれた封筒に入って、簡易書留で各世帯に郵送されます。普通郵便でポストに入っていることはありません。また、配達員が代金を請求したり、口座番号などの情報を聞いたりすることもありません。
  • 個人番号カードの交付申請の返信用封筒には、顔写真や個人情報を含んだ申請書を入れて返信します。返信用封筒の宛先が「地方公共団体情報システム機構」であるかご確認ください。個人番号カードの交付申請書に口座番号などを記載することはありません。
  • 「あなたの名前やマイナンバーを貸してほしい」といった依頼は詐欺の手口です。こうした手口で人を欺くなどして、他人のマイナンバーを取得することは法律により罰せられます。なお、不正な提供依頼を受けて自分のマイナンバーを他人に教えてしまっても、刑事責任を問われることはありません。

この他、税理士や弁護士、社会保険労務士を騙った詐欺もあるかもしれません。税理士などの士業は通常、ご依頼を受けて仕事に着手する職業であり、マイナンバーに関する業務もこの受託業務に付随して行うものです。ご依頼関係にない者からの連絡等には注意が必要です。

不審な電話などを受けた場合には消費者ホットラインがあります。
原則、最寄りの市区町村の消費生活センターや消費生活相談窓口などが案内されます。

消費者ホットライン 188(いやや!)

税理士の懲戒処分

税理士の懲戒処分が3倍

税理士の懲戒処分が10年で3倍になっているという記事がありました。

脱税の指南や、無資格者に対する名義貸しを行った税理士や税理士法人が懲戒処分を受けました。
税理士登録者数が増え、顧客獲得競争の激化などを背景に、関係者からは一部のモラル低下を指摘する声も上がっているとも書かれていました。

税理士の懲戒処分は税理士法44条で

  1. 戒告
  2. 二年以内の税理士業務の停止
  3. 税理士業務の禁止

の3種類が規定されています。

国税庁によると、2014年度の税理士登録者は約7万5千人で、2005年度に比べて6千人増加。懲戒件数は2014年度で59件と過去最多を更新。業務禁止が13件、業務停止が46件でした。2005年度は18件で3.27倍となります。

以上のことを見ると、「モラルの低い税理士増えているから気をつけなきゃ」と考える方も多いのではないかと思います。
確かに、脱税などは納税者の非も免れないことになるため、モラルの低い税理士には気を付けなければなりません。

税理士の99・92%は適正に業務

懲戒処分の増加は紛れもない事実ですが、私自身も税理士ということもあり、少し見方を変えてみたいと思います。

上記の統計では、2014年度の税理士登録者は約7万5千人。2005年度に比べて6千人増加。懲戒処分の件数は2014年度59件、2005年度は18件でした。
これを懲戒処分の件数に対する税理士数の割合で見てみると、2005年度では0.026%、2014年度では0.078%で、2014年度でも1万人に7~8人で1000人に1人も該当しないことになります。

税理士の99・92%は適正に業務を行っていることになります。

如何でしょうか。「税理士って真面目なんだ」と思って頂けた方もいるのではないでしょうか。

数字自体は客観的事実ですが、見る角度によって印象が変わります。
プレゼンなどでは最も良い印象を持たれる方向でアピールし、資料の判断には角度をかえて見ることも大切になります。

いずれにしても懲戒処分の件数が増加してしてしまったのは事実です。今まで以上に身を引き締めて業務にあたらななければと考えさせられる記事でした。

成年後見人

税理士成年後見人になることがあります。

成年後見人制度とは被後見人の身辺監護と財産管理の達成を目的として制定された制度です。

後見人制度には2種類あります

法定後見制度

既に本人が判断能力を欠いている場合に適用される制度です。家庭裁判所が適任者を選任します。

任意後見制度

事前的な措置を自ら定めることを目的とした制度です。自らが事前に決めることになるなため、任意後見契約による保護が優先されます。

税理士のみならず、弁護士や司法書士などは、職務の専門性が高くその職業について倫理規定が定められているなどを理由として、成年後見制度活用に期待される部分があるようです。

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さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

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