様子見の匿名加工情報
昨日に引き続き個人情報保護法関連です。
昨日が全面施行日であったことから、予想どおりメディアなどで取り上げられています。
一言で個人情報保護法の改正といってもその内容は様々あります。改正関連の見出しですが、「匿名加工」という文字をよく目にする印象があります。
今回の改正では個人情報を保護することはもちろんですが、個人情報の利活用についても行われています。
その際たるものが、匿名加工情報の制度の導入です。
匿名加工情報とは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工したもの。をいいます。
匿名加工情報は、本人の同意なく外部に提供することができるようになります。
私的な印象なので確証はありませんが、匿名加工情報の取扱い等にスポットが当てられるということは、世の中としては、個人情報は収集するよりも利用する段階に至っているのではないでしょうか。
日常の生活を省みても、クレジットカードは以前からありますが、ポイントカードやスイカなどのいわゆる電子マネーの利用が多くなっているのは、間違いないでしょう。
これらのカードはほとんどの場合、登録時などに個人情報を登録しています。よって、利用すればするほど、カード登録者の利用履歴が蓄積していきます。
グーグルなどは10億人を超す個人情報を世界中から収集しているといわれています。
今回の改正により、自前で収集してきた情報に加え、他者が有する情報を購入するなど、匿名加工情報マーケットが活性化するのではないでしょうか。
自分の利用履歴が、自分と分からないように加工され販売されると聞くと、なんだか釈然としない感情を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。「情報の提供元は自分なのに…。」と。
上述のクレジットカードなどは、ほとんどの場合ポイントがつきます。
ポイント=情報提供料、と収集側は考えているのかもしれません。
利用段階に入っていると思われる個人情報の取り扱いですが、実際にはまだ手探りの段階のようです。
法律が施行され「利用できる」となり、そのガイドライン等も示されていますが、より具体的な事例が存在しないためです。
また、法律とは無関係に、利用される個人の感情にも配慮が必要といわれています。