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平成30年度税制改正大綱

本日の18時、一通のメールが届きました。
平成30年度税制改正の大綱が閣議決定されたというものでした。
これで来年この大綱に係る法律案が国会で可決されれば、正式決定となります。

本日決定された税制改正大綱がもう既にアップロードされています。
アップロード自体は数分程度で行える処理ですが、アップロードされるまでの時間を考えると、閣議では大きな修正などはなかったのかもしれません。

早速、平成30年度の税制改正大綱をダウンロードしてみました。
新しくダウンロードできるのは「税制改正の大綱」と「税制改正の大綱の概要」です。
「税制改正の大綱」は100ページ以上となる大作です。
毎年のことですが、差し詰め冬休みの宿題という形になります。
一方、「税制改正の大綱の概要」は4ページです。

当然、100ページ以上のものが4ページに全て収まるわけもなく、どちらかというと概要というよりは抜粋というほうがイメージが近いかもしれません。
恐らく、改正に伴なう影響が大きいものや、世間の注目度が高いと考えられるものを概要として掲載しているのではないでしょうか。ただ主観的な判断がなかったのかといえば、そこは私達には分からない部分ではあります。

平成30年度税制改正の大綱の概要

本文が100ページ以上にも及ぶとなれば、誰もがまず概要を見ようを思うのではないでしょうか。
そこで「概要」の内容を紹介します。

まず、今回の税制改正を行う理由が掲載されています。文字通り「前置き」です。
前置きはさて置き、以下、タイトルのみの抜粋です。

  • 個人所得課税
    給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替
    給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除の見直し
  • 資産課税
    事業承継税制の拡充
    一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し
    土地に係る固定資産税等の負担調整措置
    中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置
  • 法人課税
    賃上げ・生産性向上のための税制
    事業再編の環境整備
    地方拠点強化税制の見直し
  • 消費課税
    国際観光旅客税(仮称)の創設
    外国人旅行者向け消費税免税制度の利便性向上
    たばこ税の見直し
    地方消費税の清算基準の抜本的な見直し
    金の密輸入に対応するための罰則の引上げ
  • 国際課税
    恒久的施設関連規定の見直し
  • 納税環境整備
    税務手続の電子化等の推進
  • 関税
    暫定税率の適用期限の延長等
    金の密輸入に対応するための罰則の引上げ
  • 備考
    森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)の創設

となります。

事前に新聞などでも取り上げられたりしている内容もありますので、「ああ、あのことか」というものもあるのではないでしょうか。

少し変わっているのが、「備考」の内容です。
来年度の改正となる平成31年度税制改正に創設するというものになっています。

共同要望ランキング

各府省庁からの平成30年度の税制改正要望が財務省に出揃い、これに関する資料が公表されています。

公表資料の中には、各府省庁から提出された要望の単純集計があります。
それによると、要望項目数は160、廃止・縮減項目数は6。ということでした。
単純集計となりますので、いわゆる延べ数ということになります。

以前少し触れましたが、例えば「廃止・縮減項目数6」のうち4つは「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除(グリーン投資減税)」に関する要望で、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省から同じ要望が提出されています。よって要望の種類としては、3つとなります。

このように重複する要望があるのですが、「要望項目数」ではどのようになっているのでしょうか。
こちらも各府省庁別に同じ要望を提出しているものがあります。
各々別に提出しているというよりは、共同要望として名を連ねているというもののようです。

集計したところ、共同要望を1として数えた要望項目数は127で、共同要望は24となりました。
共同要望という形になるのは、要望する内容が各省庁の所管業務に関わるものになるためだと思われるのですが、数の論理でいえば、多くの省庁から要望が出されていると見ることができます。

要望府省庁数が多かった要望

共同要望で最も多かった省庁の数は、4省庁です。
4つの省庁により提出された要望とその省庁は以下の通りです。それぞれの要望で最初に示した府省庁が主管府省庁です。

  • 産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長…経済産業省、総務省、農林水産省、国土交通省
  • 技術研究組合の所得計算の特例の延長…経済産業省、総務省、農林水産省、国土交通省
  • 先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設…経済産業省、農林水産省、国土交通省、環境省

偶然にも、共同要望で主管省庁が経済産業省となるものとなりました。
なお、その他の共同要望は、省庁数の多い順に以下の通りとなりました。

  • 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)…金融庁、農林水産省、経済産業省
  • 新たな都市農業振興制度の構築に伴う税制上の措置…農林水産省、内閣府、国土交通省
  • 中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設…経済産業省、農林水産省、厚生労働省
  • 中小企業等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の延長…経済産業省、総務省、厚生労働省
  • 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長…国土交通省、経済産業省、環境省
  • 地域経済活性化支援機構に係る登録免許税の特例措置の延長…内閣府、金融庁
  • 生命保険料控除・住宅ローン控除等に係る手続の電子化…金融庁、財務省
  • 公募投資信託等の内外二重課税の調整…金融庁、国土交通省
  • 投資法人が海外で支払う法人税等(外国法人税)に係る導管性判定式の改正…金融庁、国土交通省
  • 地域データセンター整備促進税制の創設…総務省、内閣府
  • 国立大学法人等に対する評価性資産寄附へのみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和等…文部科学省、内閣府
  • 働く人のための保育の提供に取り組む企業に対する税制上の優遇措置の創設…厚生労働省、内閣府
  • 子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設…厚生労働省、内閣府
  • 国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引上げ…厚生労働省、文部科学省
  • 駐留軍関係離職者、国際協定の締結等に伴う漁業離職者等に対して支給される職業転換給付金に係る非課税措置等の延長…厚生労働省、国土交通省
  • Connected Industriesに向けたIT投資の抜本強化…経済産業省、総務省
  • 交際費の課税の特例(中小法人における損金算入の特例)措置の延長…経済産業省、厚生労働省
  • 個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設…経済産業省、厚生労働省
  • 認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長…国土交通省、環境省
  • 港湾の民有護岸等(特定技術基準対象施設)の耐震化の推進のための特例措置の拡充及び延長…国土交通省、内閣府
  • 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充…国土交通省、経済産業省

平成30年度税制改正要望一覧

平成30年度の税制改正要望の一覧を作成しました。

昨年度は財務省でも一覧が作成されていましたので、後々アップされるのではないでしょうか。
ひと足早くといった内容になります。

改正要望事項一覧

  • 内閣府
    1. 地方における企業拠点の強化を促進する税制措置の延長・拡充
    2. 小さな拠点の形成に資する事業を行う株式会社に対する特例措置
    3. 国家戦略特区における特別償却又は投資税額控除の延長
    4. 国家戦略特区における所得控除制度の拡充及び延長
    5. 国家戦略特区におけるエンジェル税制の延長
    6. 国際戦略総合特区における特別償却又は投資税額控除の拡充及び延長
    7. 地域活性化総合特区におけるエンジェル税制の延長
    8. 子育て支援に係る税制上の措置の検討
    9. 地域経済活性化支援機構に係る登録免許税の特例措置の延長
    10. 国立大学等法人等に対する評価性資産寄附へのみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和等
    11. 地域データセンター整備促進税制の創設
    12. 港湾の民有護岸等(特定技術基準対象施設)の耐震化の推進のための特例措置の拡充及び延長
    13. 新たな都市農業振興制度の構築に伴う税制上の措置
    14. 働く人のための保育の提供に取り組む企業に対する税制上の優遇措置
    15. 子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設
  • 警察庁
    1. 犯罪被害給付制度及び国外犯罪被害弔慰金等支給制度の見直しに伴う税制上の所要の措置
  • 金融庁
    1. NISA等の利便性向上・充実
    2. 外国子会社合算税制(CFC 税制)に係る所要の措置
    3. 店頭デリバティブ取引の証拠金に係る利子の非課税措置の恒久化又は延長
    4. 生命保険料控除制度の拡充
    5. 上場株式等の相続税に係る見直し
    6. 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入割合の引上げ
    7. 預金保険法に基づく資本増強等に係る登録免許税の軽減措置の延長
    8. ヘッジ処理における特別な有効性判定方法等の適用開始時期の見直し
    9. 外国債券等を譲渡した場合における消費税の取扱いの明確化等
    10. 死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ
    11. マイナンバーの利用に関する手続の簡素化
    12. 信託受益権の質的分割に係る所要の措置
    13. 相続税に係る国際的な課税のあり方の見直し
    14. 生命保険料控除・住宅ローン控除等に係る手続の電子化
    15. 公募投資信託等の内外二重課税の調整
    16. 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)
    17. 投資法人が海外で支払う法人税等(外国法人税)に係る導管性判定式の改正
    18. 地域経済活性化支援機構に係る登録免許税の特例措置の延長
  • 総務省
    1. 郵政事業に係る消費税の特例措置の創設
    2. 地方独立行政法人に対する寄付金等に係る課税標準の特例措置の拡充
    3. 地域データセンター整備促進税制の創設
    4. Connected Industriesに向けたIT投資の抜本強化
    5. 技術研究組合の所得計算の特例の延長
    6. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長
    7. 産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長
  • 法務省
    1. 相続登記の促進のための登録免許税の特例
  • 外務省
    1. 国際協力を使途とする資金を調達するための税制度の新設
  • 財務省
    1. 清酒等に係る酒税の税率の特例期間の延長
    2. 被災酒類製造者が移出する清酒等に係る酒税の税率の特例期間の延長
    3. ビールに係る酒税の税率の特例期間の延長
  • 文部科学省
    1. 独立行政法人日本学生支援機構に係る指定寄附金の給付型奨学金への対象拡充
    2. 私立学校等への寄附に係る寄附金控除の年末調整対象化
    3. 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた税制上の所要の措置
    4. 2019年ラグビーワールドカップ大会の開催に向けた税制上の所要の措置
    5. 引退後のアスリートに対する経済的支援に係る税制上の所要の措置
    6. 美術品・文化財に係る相続税の納税猶予の特例の創設
    7. 国立大学法人等に対する評価性資産寄附へのみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和等
    8. 国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引上げ
  • 厚生労働省
    1. ひとり親家庭に対する高等職業訓練促進給付金に係る税制上の措置
    2. 医療に係る消費税の課税のあり方の検討
    3. 医療機関等の設備投資等に関する特例措置の創設
    4. 地域機能の確保のための個人開設医療機関への軽減税制措置の創設
    5. 社会医療法人・特定医療法人の認定要件の見直し
    6. 受動喫煙防止対策に伴う税制上の措置
    7. 協同組合等に係る受取配当等益金不算入制度における特例の適用除外等
    8. 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに伴う税制上の所要の措置
    9. 介護医療院の創設等に伴う税制上の所要の措置
    10. 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長
    11. 特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額等の特別控除の延長
    12. 交際費課税の特例措置の延長
    13. 働く人のための保育の提供に取り組む企業に対する税制上の優遇措置の創設
    14. 子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設
    15. 国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引き上げ
    16. 駐留軍関係離職者、国際協定の締結等に伴う漁業離職者等に対して支給される職業転換給付金に係る非課税措置等の延長
    17. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長
    18. 個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設
    19. 中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設
  • 農林水産省
    1. 森林吸収源対策の財源確保に係る税制上の措置
    2. 農林漁業団体職員共済組合制度に係る税制上の所要の措置
    3. 山林所得に係る森林計画特別控除
    4. 農業経営基盤強化準備金及び農用地等を取得した場合の課税の特例
    5. 中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用に係る設備廃棄等欠損金の特例
    6. 農地中間管理機構が農用地等を取得した場合の所有権の移転登記の税率の軽減措置
    7. 農業ハウス等の農地法上の取扱いに係る税制上の所要の措置
    8. 卸売市場法の抜本見直しを含めた食品流通全体の構造改革のための税制上の所要の措置
    9. 林業の成長産業化に関する税制上の所要の措置
    10. 新たな都市農業振興制度の構築に伴う税制上の措置
    11. 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)
    12. 先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設
    13. 小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設
    14. 技術研究組合の所得計算の特例の延長
    15. 産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長
  • 経済産業省
    1. 印紙税のあり方の検討
    2. 国際会計基準を踏まえた収益認識基準の導入に伴う所要の措置
    3. 申告・納税手続の電子化に向けた制度及び運用に係る所要の整備
    4. スピンオフの実施の円滑化のための適格要件の見直し等組織再編成税制における所要の措置
    5. 事業ポートフォリオの転換の円滑化措置
    6. 自社株式等を対価とした株式取得による事業再編の円滑化措置
    7. 事業再編を円滑化するための組織再編税制における適格要件の見直し
    8. 新事業開拓事業者投資損失準備金の延長
    9. 所得拡大促進税制の拡充及び延長
    10. 認定特定民間中心市街地経済活力向上事業計画に基づき不動産を取得した場合の所有権の移転登記等の税率の軽減の延長
    11. BEPS(Base Erosion and Profit Shifting)を踏まえた国内の制度整備に係る配慮
    12. 外国子会社合算税制の見直し
    13. 租税条約ネットワークの拡充
    14. 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入、国庫補助金等の総収入金額不算入の拡充
    15. 原料用石油製品等の非課税化(原料用途免税の本則化)
    16. 車体課税の抜本的見直し
    17. 金属鉱業等鉱害防止準備金の延長
    18. 海外投資等損失準備金の延長
    19. 原子力発電施設解体準備金の見直し
    20. 小規模企業等に係る税制のあり方の検討
    21. 事業承継税制の見直し
    22. 産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置の延長
    23. バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例の延長
    24. 産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長
    25. 技術研究組合の所得計算の特例の延長
    26. Connected Industries に向けたIT 投資の抜本強化
    27. 先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設
    28. 中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設
    29. 交際費の課税の特例(中小法人における損金算入の特例)措置の延長
    30. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長
    31. 個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設
    32. 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)
    33. 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長
    34. 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
  • 国土交通省
    1. 物流総合効率化法の認定計画に基づき取得した事業用資産に係る特例措置の延長
    2. 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の1,500 万円の特別控除の延長
    3. 工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の延長
    4. 都市農地の保全のための制度充実に伴う所要の措置
    5. 低未利用土地利用権設定等促進計画(仮称)に係る特例措置創設
    6. 都市再生推進法人に土地等を譲渡した場合の特例措置の拡充
    7. 土地区画整理事業における共同施設区制度(仮称)の創設に伴う課税の特例措置の拡充
    8. 土地区画整理事業における共同施設区制度(仮称)の創設に伴う課税の特例措置の拡充(登録免許税)
    9. 民間施設直結スマートインターチェンジ整備に係る特例措置の創設
    10. 買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置の拡充・延長
    11. 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長
    12. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度の延長
    13. 特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の延長
    14. マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等の免税措置の延長
    15. 住宅投資の波及効果に鑑み、これまでの措置の実施状況や今後の住宅市場の動向等を踏まえた住宅市場に係る対策についての所要の措置
    16. 民法改正に伴う住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の要件の見直し
    17. 先進安全技術を搭載したトラック・バスに係る特例措置の拡充・延長
    18. バリアフリー車両に係る特例措置の延長
    19. 国際船舶の所有権保存登記等に係る課税の軽減措置の拡充・延長
    20. 国の無利子貸付を受けて整備された旅客施設等及び官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾において整備された旅客施設等に係る特例措置の創設
    21. 次世代の観光立国実現のための財源の検討
    22. 認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長
    23. 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長
    24. 港湾の民有護岸等(特定技術基準対象施設)の耐震化の推進のための特例措置の拡充及び延長
    25. 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
    26. 技術研究組合の所得計算の特例の延長
    27. 公募投資信託等の内外二重課税の調整
    28. 投資法人が海外で支払う法人税等(外国法人税)に係る導管性判定式の改正
    29. 産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長
    30. 新たな都市農業振興制度の構築に伴う税制上の措置
    31. 先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設
    32. 駐留軍関係離職者、国際協定の締結等に伴う漁業離職者等に対して支給される職業転換給付金に係る非課税措置等の延長(船員となろうとする者に関する国際協定の締結等に伴う漁業離職者関係)
  • 環境省
    1. 特定廃棄物最終処分場における特定災害防止準備金の損金算入等に係る特例措置の延長
    2. 税制全体のグリーン化の推進
    3. 車体課税のグリーン化
    4. 先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設
    5. 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長
    6. 認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長

既存租特の見直し事項一覧

  • 農林水産省
    1. エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除(グリーン投資減税)
  • 経済産業省
    1. 独立行政法人中小企業基盤整備機構の仮設施設整備事業に係る特例措置
    2. エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除(グリーン投資減税)
  • 国土交通省
    1. 東日本大震災により被災したため従前と異なる場所に鉄道路線が移設される場合における用地取得に係る特例措置の廃止
    2. エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除(グリーン投資減税)
  • 環境省
    1. エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除(グリーン投資減税)の廃止

税制改正の要望がちらほら

2018年度の税制改正の要望に記載されるであろう内容が、ちらほらと報道されるようになっています。

税制改正に関する法律が決定するのは、通常は毎年3月半ばですが、法律案の大筋となる税制改正大綱が発表されるのはその前年の12月です。
そして、この大綱を作成するために、各省庁などから要望を集めます。
これが税制改正の要望です。

この要望は財務省に集められますが、その期限は8月31日となっているようですので、各省庁ではその素案は出来上がっているのではないでしょうか。
そのため、この時期になると、要望に記載されるであろう内容が報道されます。その内容を少し見てみたいと思います。

  • 診療所の継承における相続税免除
    過疎地などで診療所や病院を相続した後継者の医師が安定的に運営を続けられるように、医療業務に必要な土地・建物などにかかる相続税を免除しようというものです。
    現行されている事業承継税制などの仕組みを踏襲するような形の運用が考えられているようです。
  • 交際費減税の延長
    現行制度では、交際費について一定の損金算入(税金の計算上も経費とする)が認められていますが、この措置を延長しようというものです。
  • 人材投資減税
    従業員等の新たなスキル習得に向けた研修や学び直しなどの費用を減税の対象としようとするものです。

こららの内容は、まだ報道されている段階にすぎませんので、要望に記載されるであろう内容として紹介しています。
実際に要望に記載されるかは要望を見てみないと分かりません。

各省庁の要望が出揃うと、財務省や各省庁のホームページで確認することが出来ます。
ただ、要望に記載されていたとしても、それが大綱に盛り込まれるかどうか。大綱に盛り込まれたとしても、法案として成立するかどうか。
要望が実現するまでには、まだまだ長い道のりがあります。

要望は各省庁などから出されると紹介しましたが、例えば今回の交際費減税の延長は厚生労働省からの要望ということになっています。
なぜ、厚生労働省が交際費の減税を?と思われるのではないでしょうか。
これは、飲食業を所管しているのが厚生労働省であることからのようです。

交際費と一言でいっても色々とありますが、代表的なものといえば接待費ですね。接待といえば飲食です。
現行制度の交際費減税もその内容の大部分は接待飲食費の減税です。
このようなことから、厚生労働省からの要望ということになっているようです。

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