斜線の遺言書


遺言者自ら斜線を引いた遺言書は有効かどうかが争われた訴訟で、無効という最高裁判所の判決がありました。

この斜線は民法1024条前段により遺言を撤回したものとみなされる「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというのがその判断の根拠のようです。

一般的な感覚としては、最高裁判所の判決のように「斜線を引いているのだから無効でしょう。」と考えると思うのですが、地方裁判所、高等裁判所では、「元の文字が判読できる程度の斜線では効力は失われない。」とする判断で、遺言書は有効とされていました。
自筆証書遺言に改変等を加える行為については民法968条2項によって厳格な方式が定められているというのがその判断の背景にあるようでした。

結局、「赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は、一般的にそこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当」という判断のもと無効とされました。

遺言の種類は基本として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類に分かれます。
それぞれについて特徴があり、メリット・デメリットがあります。今回の場合は自筆証書遺言のデメリットが現れてしまったと見るべきでしょうか。

今回のようなケースでは、弁護人となれるのは弁護士のみのため、税理士が直接に係わるようなケースではありません。
しかし、実際の相続では、権利義務、手続き、相続税や調査など様々な専門家が必要とされます。
大まかに言えば、相続に関する権利義務や訴訟などは弁護士、登記は司法書士、相続税の計算・申告は税理士というような分類になります。もちろんその他の専門家が関わることも多々あります。

では、それぞれについて個別に相談や依頼をしなければならないのかとうと、そうでもありません。
ほとんどの場合、他の士業の方と提携をしていたり、繋がりをもっているので、いわゆるワンストップで終えることができると思います。

しかしながら専門以外のものは知らぬ存ぜぬというわけには行きません。私は税理士という立場ですが、今回のようなケースも予備知識として蓄えていくことが問題解決の糸口をつかむためにも重要になります。

税金、手続き、権利義務など、ご自身が一番悩まれている内容に該当する専門家にご相談頂ければ、そこから解決が図れることと思います。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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