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使途秘匿金

法人税務で「使途秘匿金」というものがあります。

文字通り使い道を秘匿したお金のことですが、税務上の取り扱いは以下の通りとなります。

  • 経費として計上している場合は、経費として認められない。
  • その支出額の40%の税金が追加される。

会社の経理は「いつ」「誰に」「いくら」「何のために」を帳簿に記載することを要求されますので、この記載がないものは、本来は経費だとしても、経費として認められません。これによって、利益が大きくなりますので、その分税額が増えます。
加えて、会社がその支払先や目的を秘匿しているのはよろしくないということで、支出額の40%の税金が追加されます。 この40%部分は、会社が赤字でも税金が発生します。

会社の利益に対する税金の割合を法定実効税率といいますが、おおよそ33%(会社の事情によって異なります。)です。
よって、黒字会社の場合には、使途秘匿金として支出した金額の40%+33%=73%は税金を支払うことになります。

こんな支出誰がするの?と思われがちですが、実際にニュースなどで目にします。

くるみん

くるみん」という言葉をご存知でしょうか。

次世代育成支援対策推進法に基づき厚生労働大臣の認定を受ける際の認定マークのことを言います。
次世代育成支援対策推進法とは、次世代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整備するために、国、地方公共団体、企業、国民が担う責務を明らかにすることを目的として、2005年4月1日から施行されています。

この認定を受けると認定マーク(くるみん)を、商呂、広告、求人広告などに付け、子育てサポート企業であることをPRでき、企業イメージの向上、従業員のモラルアップやそれに伴う生産性の向上、優秀な従業員の採用・定着が期待できると国は謳っています。

税制につきましても、優遇措置があります。通称「くるみん税制」です。

内容は、次世代育成支援対策資産の取得について割増償却を認めるというものです。

割増償却とは、その課税期間の減価償却費を割増して、費用計上を前倒しするというものです。その資産について費用化できる総額は通常の減価償却を行う場合と変わりません。

この制度を受けるためには、「くるみん認定」を受けることが前提となります。

くるみん認定を受けるためには、「一般事業主行動計画」の策定し、その策定した目標を達成するなど一定の基準(9項目の認定基準の全て)を満たす必要があります。
一般事業主行動計画とは、従業員の仕事と子育ての両立を図るために策定する計画のことです。
この計画に次世代育成支援対策資産の取得を盛り込み、行動計画期間内に実際に導入します。

上記のことからも分かるように、税制優遇は次世代育成支援対策を推進するための補助的位置づけとされているようです。

また、くるみん認定企業のうち、より高い水準の取組みを行った企業は「プラチナくるみん認定」を受けることができます。プラチナくるみん認定についても別途、割増償却の優遇措置があります。

固定資産税

以前、固定資産税などの滞納を理由に公売かけられた物件の固定資産税が通常より高く評価されていたという事件がありました。税金の過大納付分は戻ってきたものの、公売された物件はすでに第三者に渡ってしまったため、戻ってこないという悲劇でした。

総務省の調査によると700人に1人の割合で徴収ミスがあったそうです。

「制度が複雑すぎて、職員が慣れるのに時間がかかる」というのが、主な理由だそうです。

例えば、 家屋の評価額は、屋根は金属製か樹脂製か、瓦のグレード、外壁はタイルか板張りかなど建材に応じた評価額を求められます。

自治体にどういった評価システムがあるのかは分かりませんが、家屋の評価ひとつとっても自治体内の家屋すべてに評価を行うわけですからその煩雑さは想像がつきます。

とはいえ、上記のような徴収ミスは決して許されるものではありません。

 

海外税務情報を提出

グローバル化時代といわれてから年数が経ちますが、いよいよ税務の領域にもその波が押し寄せてきたようです。

政府は2016年度の税制改正で、企業に海外税務関連情報を国税庁に提出するルールを盛り込む方向のようです。企業は国別の収益や納税額、資産などの情報をリポートとして提出しなければいけなくなる模様です。

経済協力開発機構(OECD)が国境を越えた節税策を防ぐために、世界の企業に税務情報の提出を求めるルールをまとめたことが発端となっています。
OECDでは全事業年度の連結売上高が約1000億円以上の企業を対象にするよう求めており、日本政府もこれに対応しようという考えのようです。

既に、個人レベルでは、「国外財産調書」の提出義務が課され、5,000万円を超える国外財産を有する人は、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を税務署に提出しなければなりません。

このような流れは今後加速していくのではないのでしょうか。

マイナンバーで統一

政府は企業向けの国税と地方税の税務手続きを統一するようです。

従業員の源泉徴収票(国税)と給与支払報告書(地方税)の書式をそろえ、ネットで一括提出できるようにするとのことです。

企業の社会保険料の事務処理を助けるため、官民共同で会計ソフトの開発にも乗り出し、今後、マイナンバー対応で企業の事務負担が増すことに対応し、軽減策を打ち出すようです。

国税と地方税は2017年からマイナンバーを書き込んだ書類をやり取りするようになります。現在は国には源泉徴収票、市区町村には給与支払報告書をそれぞれ提出しますが、政府はこの税務手続きを統一し、17年から源泉徴収票と給与支払報告書を一括で作成・提出できるようにするようです。企業の事務負担が大幅に減る見通しです。

他の書類も利便性を高め、例えば税務署に書面で出す登記事項証明書や出資関係図は、2016年4月からPDFファイルで送れるようにするようです。

社会保険料の手続きも簡単にするため、企業の担当者がネット上で簡単に処理できる会計ソフトの開発を支援するとのことです。税務関係は民間のソフトが普及していますが、社会保険関係は政府が昨年までソフト開発関連の情報を公開していなかったため、開発が進んでいなかったようです。

今年度中に国税・地方税・社会保険の各当局とソフト業界が共同会議を設置し、国がソフト開発に必要な情報を公開して、民間に税と社会保険料に対応できるソフトの開発を促すそうです。

中小企業のソフトの利用率は7割ですが、開発で導入が進むとみられています。政府が企業の税務関連手続きの簡素化を急ぐのは、マイナンバーの導入で事務負担が増えるためです。

マイナンバー法では、企業は社会保障と税に関する書類に番号を書き込んだうえ、一定期間保管しなければなず、その保管・管理が厳格化されています。現行のシステムの仕様変更も必要になり、システム改修費は中小企業でも数百万円から1,000万円程度に上ると見込まれています。

負担だけが増えないように軽減策を用意することで、マイナンバーへの理解を得る狙いもあるようです。

免税店

「中国人の爆買い」というニュースを目にした方もいらっしゃると思います。

大手コンビニでは、国内消費者よりも客単価が高いこともあり、専用レジを設けて対応しているところもあるようです。

この爆買いを後押ししている要因の1つが免税ということがあると思います。

いわゆる「免税店」、正式には「輸出物品販売場」といいますが、消費税が免除されるというものです。

消費税は国内において消費される場合に課される税金ですので、外国人の方が、母国に持ち帰る場合には消費税がかからないということになります。

それでは、どこでも誰でも免税店を営めるかというと、一定の手続きや条件があります。大まかな内容は以下の通りです。

  • 輸出物品販売場の許可を受けていること
  • 非居住者に対する販売であること
  • 免税対象物品の販売であること
  • 所定の手続で販売すること
  • 購入者誓約書等を保存していること

この免税店ですが、今までは販売店ごとに許可を得る必要がありましたが、平成27年4月より免税手続きを行う事業者に代理させることができるようになりました。

これにより、例えば商店街などでは各店舗の免税手続きを、一箇所でまとめて行うことができるようになりました。

農地の適正課税滞る

耕作放棄地の多い100市町村の9割近くが、税法が定める毎年の土地利用状況の確認調査を行わず、適正に課税できなくなっていると新聞記事にありました。

耕作放棄地とは、耕作をやめ今後も再開するつもりのない土地です。農地を相続したものの、会社勤めなどで耕作していないものが多いようです。放置しても課税上は固定資産税が軽い農地と見なされる限り年間の保有コストは非常に低くなります。このため商業施設や道路への転用による値上がりを期待して持ち続けるケースが多いようです。

地方税法に基づき市町村は毎年、土地の利用実態を調べて宅地、田、畑、雑種地など土地の種類を定めます。その種類に沿って市町村が土地の評価額と固定資産税額を決めます。売買や転用に制限のある土地は評価額が宅地や雑種地より低いため税金が安くなります。評価額の大々的な見直しは3年に一度ですが、利用実態が大きく変わった場合は評価替えの年でなくても見直すことになっています。

現況確認の実施状況を耕作放棄地の面積が大きい全国100の市町村へ聞き取り調査した結果では、毎年現況を確認していると答えたのは13市でした。56市は現況を確認しているものの、頻度は3年に1度程度。31市町村は3年に1度のペースでも確認せず、ほとんど現況把握していないとする自治体もありました。調査を先送りする理由として人手不足や財政難を挙げた市町村が多いようです。

現況確認がおざなりになると、耕作をやめた土地も農地として格安の税金で持ち続けられるため、農地の取引が進まず、新たな農業の担い手が農地を確保できない悪循環となっているようです。

政府は放棄地の解消に向けて課税強化の検討を提案し、成長戦略に遊休農地等の課税の強化・軽減等の検討が盛り込まれました。

公益法人8割徴収漏れ

新聞記事に税制上優遇されている学校法人や社会福祉法人などの公益法人について、東京・大阪国税局が2014年6月までの5年間に、延べ約4000法人を税務調査したところ、対象の82%で源泉所得税の徴収漏れが見つかったとの記事がありました。

企業や個人事業主が大半を占める全体の徴収漏れは対象の26%だったようです。公益法人の不適切な経理処理が際立ちました。

税法上の公益法人は学校法人、社会福祉法人、宗教法人、財団・社団法人などです。公益性が高く儲けが出にくい仕事だからという面で原則は非課税という税制上の優遇措置を受け、公益活動の収入に税金はかかりません。

物品販売などの一部収益事業だけ課税の対象になりますが、役員や職員の給与などにかかる所得税は源泉徴収が義務づけられています。

この原則非課税という点が、税金はかからないという認識の誤りがあったのかもしれませんね。

源泉所得税

今月の10日は源泉所得税の納付期限となっています。

源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっていますが、給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」を提出することにより、給与や退職手当、税理士等の報酬・料金について源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税について、年2回にまとめて納付できる制度があります。具体的な期間と納付期限は次の通りです。

1月から6月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税・・・7月10日

7月から12月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税・・・翌年1月20日

半年分を納付することになりますので、税額が多くなりがちです。

期限を過ぎてしますと納付すべき税額を基礎に計算した不納付加算税という罰金税が課される可能性がありますので注意が必要です。

上尾市で寡婦(夫)控除のみなし適用

上尾市で寡婦(夫)控除がみなし適用されます。

寡婦(夫)控除とは

配偶者と死別や離婚した後再婚していない人、又は配偶者の生死が明らかでない人で、一定の要件をみたす場合、所得税や住民税の計算上、一定の金額を控除する制度です。

みなし適用の経緯

寡婦(夫)控除は婚姻歴があることが前提の制度で、婚姻歴のないひとり親については認められておらず、婚姻歴のあるひとり親とくらべて、所得税や住民税の税額が高くなります。

上尾市では「安心して子どもを産み育て、子どもが伸びやかに育つまちづくり」を基本理念に掲げ、婚姻歴のあるひとり親と同様に寡婦(夫)控除をみなし適用することにより、婚姻歴の有無による不利益を解消し、ひとり親家庭の生活安定を支援するそうです。

適用開始時期

7月1日から

対象者

婚姻歴のないひとり親で、20歳未満の子がいる方

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さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

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