農地の適正課税滞る


耕作放棄地の多い100市町村の9割近くが、税法が定める毎年の土地利用状況の確認調査を行わず、適正に課税できなくなっていると新聞記事にありました。

耕作放棄地とは、耕作をやめ今後も再開するつもりのない土地です。農地を相続したものの、会社勤めなどで耕作していないものが多いようです。放置しても課税上は固定資産税が軽い農地と見なされる限り年間の保有コストは非常に低くなります。このため商業施設や道路への転用による値上がりを期待して持ち続けるケースが多いようです。

地方税法に基づき市町村は毎年、土地の利用実態を調べて宅地、田、畑、雑種地など土地の種類を定めます。その種類に沿って市町村が土地の評価額と固定資産税額を決めます。売買や転用に制限のある土地は評価額が宅地や雑種地より低いため税金が安くなります。評価額の大々的な見直しは3年に一度ですが、利用実態が大きく変わった場合は評価替えの年でなくても見直すことになっています。

現況確認の実施状況を耕作放棄地の面積が大きい全国100の市町村へ聞き取り調査した結果では、毎年現況を確認していると答えたのは13市でした。56市は現況を確認しているものの、頻度は3年に1度程度。31市町村は3年に1度のペースでも確認せず、ほとんど現況把握していないとする自治体もありました。調査を先送りする理由として人手不足や財政難を挙げた市町村が多いようです。

現況確認がおざなりになると、耕作をやめた土地も農地として格安の税金で持ち続けられるため、農地の取引が進まず、新たな農業の担い手が農地を確保できない悪循環となっているようです。

政府は放棄地の解消に向けて課税強化の検討を提案し、成長戦略に遊休農地等の課税の強化・軽減等の検討が盛り込まれました。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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