Category Archives: 税務

タワーマンション

タワーマンションを使った相続税対策の監視が強化されるようです。

タワーマンションの1室を購入すると、相続税の計算における評価は土地と建物を分けて評価します。
土地は全体の評価額を戸数で分けて算出するため、戸数が多いほど評価額が低くなります。
建物は全体の評価額を専有面積で按分するので、同じ面積なら高層階も低層階も評価額は同じになります。
しかし、実際の価格は低層階よりも高層階のほうが高くなります。

このように実際の価格と相続税評価額の違いを利用して相続税対策が行われている現状です。

相続税の財産評価は相続時の時価とされていますが、この時価として算定された評価額が実際の価格とかけ離れてしまうのはよろしくないとして、監視が強化されるようです。

国外財産調書

平成26年分の国外財産調書の提出状況について国税庁から発表がありました。

国外財産調書という言葉を始めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
国外財産調書とはその年の12月31日においてその価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する居住者が、翌年3月15日までにその財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載して税務署長に提出しなければならない調書です。
国外財産の保有が増加傾向にある中で、国外財産に係る所得税や相続税の課税の適正化をはかるために設けれれた制度です。

先日、この国外財産調書の提出状況について発表があり、その内容を見てみると、

  • 提出件数:8184件
  • 総財産額:3兆1150億円

でした。提出件数はそのまま提出人数ですので、これだけの人数でこれだけの財産を国外に所有していることになります。

この国外財産調書ですが、自己申告になるため、適正な提出を確保するためとして以下のインセンティブ措置等(いわゆる「アメとムチ」)が設けられています。税理士としても、「国外に5千万円以上の財産をお持ちですか」などと尋ね辛い部分ではありますが、尋ねないわけにもいきません。

  1. 加算税の軽減措置
    調書を期限内に提出した場合に、記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を5%軽減
  2. 加算税の加重措置
    調書の提出がない場合又は提出された調書に国外財産の記載がない場合に、その国外財産に関して所得税の申告漏れが生じたときには、加算税を5%加重
  3. 罰則の適用
    正当な理由なく期限内に提出がない場合又は虚偽記載の場合に、1年以下の懲役または50万円以下の罰金

提出する人が約8000人なので、ほとんどの人が関わりのない制度ですが、該当することになった場合には注意が必要です。

ネット配信の消費税

「10月から変わります」で紹介しました「インターネット等を介して行われる電子書籍・音楽・広告の配信などの消費税の課税方法」を取り上げたいと思います。

以前のブログでも少し紹介しましたが、改めて内容を整理したいと思います。

改正される取引

インターネット等を介して行われる電子書籍・音楽・広告の配信などを「電気通信利用役務の提供」と言います。
通信そのものや電気通信回線を介して行う行為が他の資産の譲渡等に付随して行われるものは電気通信利用役務の提供に該当しません。

どのように変わるのか

国外の事業者から電気通信利用役務の提供を受けた場合に変わります。
国内の事業者から役務の提供を受けた場合は今までと同じです。

国外の事業者から電気通信利用役務の提供を受けた場合

消費税の申告はその電気通信利用役務の提供が事業者向けか消費者向けかによって次の方法で申告を行います。

  • 事業者向け…リバースチャージ方式による申告
  • 消費者向け…通常方式による申告

事業者向け、消費者向け両方の電気通信利用役務の提供を受けている場合には両方の方式を使います。

この「事業者向け」「消費者向け」ですが、自身が事業者だからといってイコール「事業者向け」とはなりません。
事業者であっても「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けるということがあるということです。

上記の申告の方式については税理士に任せればよいでしょう。

登録国外事業者でないと控除できない

今回の改正でもっとも注意すべきことは、消費者向けの電気通信利用役務の提供をした国外事業者が登録国外事業者か否かです。

国外事業者が登録国外事業者でなければ、その国外事業者に支払った電気通信利用役務の提供の対価に係る消費税部分は消費税の計算上控除されないからです。同じものを購入したのにもかかわらず、購入先によって税額控除の可否が決まります。

登録国外事業者は国税庁のホームページで確認できます。

オータムジャンボ

オータムジャンボ宝くじのCMを見ました。

1等と前後賞を合わせた5億円…。史上最高額だそうです。
一昔前は、1等が1億円だったように記憶しています。宝くじ市場は景気が良いのでしょうか。
また、今回は宝くじ70周年だそうで、70万円の当選金が1300本用意されています。

せっかくなので税理士らしく税金の話をしたいと思います。

宝くじが当選したら

既にご存知の方も多いと思いますが、宝くじには税金はかかりません。

宝くじの正式名称は「当せん金付証票」と言います。そして、当せん金付証票法という法律に「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない。」(第13条)と明記されています。

住民税は?と思われるかもしれませんが、もちろん住民税もかかりません。住民税の計算では所得税の計算過程を流用します。宝くじの当選金は、所得税の計算に含まれないので、結果として住民税の計算にも含まれないことになります。

なお、住民税がかからないとは、収入に応じて税金を計算する「所得割」の部分です。収入に関係なく課税される「均等割」は、宝くじを購入していないときと同じで、いつも通りの金額が課税されます。
以上のように宝くじに当選しても、税理士いらずとなります。

当選後の注意点

当選金の使い道についてです。多額の当選金を獲得できた喜びをお裾分けする感覚で、一定以上の金品を他人に渡してしまうと、贈与税の課税対象となります。
高額な贈与ほど税率も高くなるので、何も知らずに高額な金品を渡してしまうと、大変なことになりかねません。

宝くじが当選したので、周りの人に何かあげたいというようなときは、税理士にご相談ください。

さて、オータムジャンボですが、発売期間は9月28日~10月16日で売切れ次第販売終了となります。

購入された方に、幸運があることをお祈りします。

災害時税務

災害により被害を受けた場合に、税務上も様々な制度が設けられています。

代表的なものは以下の通りです。

申告・納付等の期限の延長

災害等のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。
区分として2つに分かれます。

  • 地域指定・・・国税庁長官が延長する地域と期日を定めて告示。告示の期日までに申告・納付などをすればよい。
  • 個別指定・・・所轄税務署長に期限の延長を申請し、その承認を受ける。

財産に相当な損失を受けた場合の納税猶予

所轄税務署長に申請をすることで、納税の猶予を受けることができます。

猶予期限は納期限から1年以内です。

相当な損失とはおおむね20%以上の損失とされています。

雑損控除・災害減免法による軽減免除

住宅や家財などに損害を受けたときは、所得税法に定める雑損控除、又は、災害減免法による軽減免除を受けて所得税の全部又は一部を軽減することができます。

どちらか有利な方法が選べます。

ただし、災害減免法による軽減免除は、災害にあった年の所得金額の合計額が1000万円を超えるときは受けることができません。

源泉所得税等の徴収猶予及び還付

給与所得者、公的年金受給者の方で一定の要件に該当する場合には、源泉所得税等についてその徴収を猶予することや還付を受けることができます。

簡易課税制度の適用又は不適用

消費税の簡易課税制度は事前の手続きが原則ですが、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、又は適用をやめることができます。

教育資金贈与

教育資金贈与の件数が増加しているようです。

利用件数は145,000件に達し、贈与額の累計は1兆円を超えたそうです。

この制度は30歳未満の子や孫などへ教育資金として贈与した場合に1,500万円まで贈与税が非課税となります。

通常の贈与では、1年で110万円までが非課税となります。贈与資金の使い道は教育資金に限られますがまとまった資金を一括で贈与したい場合には有効な手段です。

特徴としては以下の通りです。

  • 金融機関などを通じて行う。
  • 学校等以外に支払う金銭については500万円を限度とします。
  • 受贈者が30歳になった場合に贈与した金額について残額があるときは、その残額について贈与税が課せられます。
  • 払出しに一定のルールがあります。

また、この制度のほか、扶養義務者相互間の生活費・教育費で通常必要と認められるものの贈与をした場合も贈与税は非課税となりますので、状況を考えて制度の適用を考える必要があります。

総額表示義務の特例

消費者に対して商品やサービスを販売する場合において、あらかじめ価格を表示するときは税込価格を表示しなければなりません。これを「総額表示義務」といいます。

しかし、消費税率が8%になり、平成29年4月には10%になるため、税込価格で表示する場合は値札の変更など負担がかかります。
この負担を軽減するため、平成30年9月30日までは「税抜価格」でもよいこととされています。
これを「総額表示義務の特例」といいます。表示方法は以下の通りです。

個別に明示する場合

以下のように「税抜き」など価格の傍らに表示します。

○○円(税抜き) ○○円(税別) ○○円(本体) ○○円+税
○○円(税抜価格) ○○円(税別価格) ○○円(本体価格) ○○円+消費税

○○円(税込××円)とすることも可能です。この場合、税抜価格と税込価格が誤認されないようにすることが必要です。

一括して明示する場合

個別の値札等については「税抜価格」のみを表示し、消費者が商品等を選ぶときに目のつきやすい場所に、「価格は全て税込表示です。」というような掲示をおこなう。

消費税率が10%になるまではまだ期間がありますが、8%のときに対応されていない場合には一考してみてはいかがでしょうか。

電気通信利用役務の提供

前回、「電気通信利用役務の提供」について、消費税の取り扱いが変わります。といいましたが、その概略を説明します。

電気通信利用役務の提供とは、インターネット等を介して行われる電子書籍・音楽・広告の配信などを言います。

今までは、消費税の課税判定の対象が役務の提供をした者(売り手)にあったのですが、10月1日から役務の提供を受けた者(買い手)になります。

これにより、売り手が国外事業者、買い手が国内事業者である場合には今までと異なる取り扱いをします。

また、売り手の国外事業者が「事業者向け電気通信利用役務の提供」を行っているか否かにより、買い手の国内事業者の申告・納税の処理が変わってきます。

事業者向け電気通信利用役務の提供については、リバースチャージ方式という課税方法をとります。

上記以外の役務の提供「通称(消費者向け電気通信利用役務の提供)」については、その事業者が登録国外事業者かどうかにより取り扱いが変わります。

登録国外事業者

平成27年10月1日から「電気通信利用役務の提供」について、消費税の課税方法が変わりますが、その中で「消費者向け電気通信利用役務の提供」を行う国外事業者からの仕入をした場合には消費税の計算上、控除されないことが原則となっています。

ただし、例外として登録された国外事業者からの仕入れについては控除できることとされています。

つまり、同じ仕入をしたのにもかかわらず、その相手が登録をしているか否かで、納付する消費税額が異なってくることになります。

この登録は、7月1日から受付開始となっていましたが、つい先日、現在までの登録者の発表がありました。

国税庁のホームページで掲載されています。

租税滞納状況

国税庁から平成26年度租税滞納状況が発表されています。

内容を見てみると、消費税の新規発生額が例年通り多いようでした。

消費税は、いわゆる儲けに対して課される法人税や所得税とは性質が異なり、事業が赤字であっても納付義務が発生します。

このような事情が発表結果に反映しているのではないかと想像されます。

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さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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