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税率の引き下げ|税制改正

2016年度税制改正の中身を見ていきたいと思います。
今回は、法人税率の引き下げです。

政府は「成長志向の法人税改革」を掲げ、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方の下、2015年度に着手した改革を更に推進し、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革するとしています。

この改革の1本目の柱が法人税率の引き下げです。

2016年4月1日以後に開始する事業年度の法人税率が23.4%になりました。以前は23.9%でしたので0.5%の引き下げです。

ただ法人が負担すべき税金は法人税だけではありません。大まかに挙げるだけでも
法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税
とあり、さらにこれらの税が所得割や地方特別法人税などに分かれます。

では、全部ひっくるめて税金はいくらになるのか。誰もが気になるところだと思いますが、これを計算する率があります。

「法人実効税率」といいますが、法人がその期に負担することになる税金の総割合です。

今回の改正でこの法人実効税率も引き下がりました。

2015年度は32.11%でしたが、2016年度では29.97%となり2018年度では29.74%になる予定です。政府が目標に掲げていた法人実効税率20%台を実現する形になりました。

今回の税率の引き下げは成長志向(利益が出ている)の法人を後押しするのはもとより、国際的な事情もありそうです。

財務省が掲載している「国・地方合わせた法人税率の国際比較」では、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、韓国、イギリス、シンガポールと日本が比較されていますが、日本の税率はアメリカ、フランスに次いで3番目に高い税率となります。今回の改正で4番目のドイツの税率29.66%には近づく形となりました。

他国と比べて税率が高ければ、国内企業の海外移転の加速し、外国企業の日本への進出を妨げてしまう恐れもあります。

いずれにしても、法人にとっては手元に資金が残る税負担の軽減は素直によろこんでよいのではないでしょうか。

ガチャ確立表示へ

ガチャ」の全アイテムの確立表示がされるようになるようです。

スマートフォンのゲームでお馴染みのガチャですが、コンピュータエンターテインメント協会は、上記の内容を盛り込むよう指針を改定するようです。

同協会は、大手ゲーム会社などを始め、多くのゲーム会社が加盟する協会です。ここから発表される指針は、いわば業界の自主ルールになります。

今回の指針の改定の背景には、一部のゲームで確立の不正操作の指摘が出たものに対応したもののようです。事業者が希少なアイテムが当たる確立を引き上げたとしましたが、利用者からはなかなか当たらないなどの不満が広がり不正操作を疑う声が上がっていたそうです。

協会では、公認マークや表示通りに正しく運用されているかを検査する内部監査体制の構築を促すといった取り組みも検討しているそうです。ただ、全アイテムの確立表示にはゲームの作り直しが伴うため、猶予期間を設ける方針のようです。

「ガチャ」はゲームを有利に進めるためのアイテムを有料のくじ引きによって手にすることができる仕組みです。
このため、月に数十万円をつぎ込む一部のヘビーユーザーなどもおり、ゲーム会社からしてみれば、ガチャは収益の柱です。

協会が率先して指針の改定に乗り出すのは、数年前の「コンプリートガチャ」の問題があったことも一因にあるのではないでしょうか。
ゲームに限らずIT環境の全てにいえる事ですが、表示されている画面の裏側で実際にどのような処理が行われているか、容易に確かめることができません。実際にお金がかかる「がちゃ」は、なおさら厳しい目で見られることと思います。
システムやサービスの透明性・健全性が明らかにされれば、利用者も安心して楽しめるのではないでしょうか。

さいたま市機器設置補助金

平成28年度さいたま市「スマートホーム推進・創って減らす」機器設置補助金が実施されています。

この補助金は、省エネ対策設備の設置を住宅へ行う市民に対し、申請に基づき予算の範囲内で交付される補助金です。
主に住宅で使用するものである場合には店舗、事務所等と併用されているものも申請可能です。

主な補助対象や要件は以下の通りです。

  • さいたま市民(これから市民になる方を含む)
  • 共同住宅に高遮熱塗装を実施する場合のみ、管理組合の申請も可能
  • 省エネ対策の完了日が、平成28年3月16日(水)から平成29年3月15日(水)までのものに限る
  • 市税に滞納がないこと

平成28年度からは申請時に必ず提出する書類として、平成27年度の市税(市民税及び固定資産税)納税証明書(写し)が必要となっているほか、補助金額などが変更されています。

また、補助金額の加算制度というものがあり、以下の場合は補助金額が加算されます。

  • セットメニューに該当する場合
    セットメニューには、「太陽フル活用プラン」「スマートプラン」があり、適用できるのはいずれか1つです。
  • 市内事業者と契約を結び、費用の支払いを行い、領収書の発行を受ける場合
    市内事業者とはさいたま市内に本店登記を有する法人、又はさいたま市内に住所を有し、かつ、事業所を有する個人事業主です。

平成28年度予算額は1億7,000万円です。

ただし、予算残額が100万円を下回っ場合は、ホームページに公表され、当該日含めて5日間(土日・祝日及び12月29日~1月3日を含めない)に応募のあった申請書の中から抽選により受け付けられる申請書が決定されます。

冒頭にもある通り「予算の範囲内」で交付される補助金です。とどのつまり、早い者勝ちです。
要件に該当するようであれば、早めに申請しましょう。

高齢者向け給付金

「一億総活躍社会」の実現に向け、賃金引上げの恩恵がおよびにくい低年金受給者への支援や高齢者世帯の所得全体の底上げ、2016年前半の個人消費の下支えといった趣旨で支給が決定した高齢者給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)ですが、申請が異例のハイペースで進んでいるようです。

3月から受付を開始した自治体では開始から1ヶ月で申請率が9割に達した例もあり、今回の給付額が3万円と高額であることが一番の要因のようです。
昨年度に実施された臨時福祉給付金は6,000円、2009年に実施された定額給付金でも12,000円でしたので、金額の違いは一目瞭然です。

今回の給付金の支給対象者ですが、次の2つの要件を満たす方となります。

  • 2015年度臨時福祉給付金の支給対象である方
  • 2017年3月31日までに65歳以上になる方(昭和27年4月1日以前に生まれた方)

年金を受給しているか否かに関わらず、2つの支給要件を満たせば支給の対象になりますが、生活保護の受領者である方などは除かれます。

2015年度の臨時福祉給付金の支給対象者とは、2015年度分の住民税が課税されない方が対象です。
ただし、課税されている方に生活の面倒を見てもらっている場合(住民税において、課税者の扶養となっている場合)や、生活保護の受給者である場合などは、対象とはなりません。

給付金の申請受付、審査、支給決定などは各市町村が行うため、申請受付期間や申請方法は、各市町村によって異なりますが、昨年度の臨時福祉給付金の支給と同様の方法になるのではないでしょうか。

例えばさいたま市では、昨年度は支給対象者に市から案内と申請用紙が送られてきましたので、申請書に記入し必要書類等を揃えて返信封筒に入れて申請するといった手続き方法でした。

住民税の非課税対象者、かつ、年齢が主な支給要件となることから、基本的には自治体で把握できる内容ですので昨年度のさいたま市と同様の方法がとられることが多いのではないでしょうか。

ただ、申請書が届いた方であっても、必ずしも支給対象者になるわけではありませんので、支給対象者の要件をよく確認する必要があります。

金庫の種類

金庫が売れているようです。

先日、8年ぶりに一万円札が増刷されることを取り上げましたが、これに呼応するというよりは、先行してとしたほうが正しいのかも知れません。

売れ行き好調の原因は

  • マイナンバー制度の導入による個人番号の管理
  • マイナス金利政策によるタンス預金志向の高まり

といったことのようです。

マイナンバーに関しては事業主に個人番号の厳格な管理が義務付けられているため、その義務を履行するため事業者などが購入しているそうです。マイナンバーの管理については、ITを活用している事業主も多いものの、ITを不得意とする方や従業員が少数の事業者などは、いわばアナログで対応しています。

タンス預金志向については、マイナス金利政策の影響により、預入れ金利がさらに下がることが考えられ、ATMなどの手数料を吟味すると現金で持っていた方がよいとの考えによるものです。
また、マイナンバー制度によって、金融資産の残高が国家に把握されるのではという懸念もこうした志向の一因となっているようです。

こうした背景から売れている金庫ですが、種類があります。

  • 家事から中身を守る「耐火金庫」
  • 耐火性と防犯性を兼ね備えた「防盗金庫」

です。

ホームセンターなどで多く売られているのは「耐火金庫」で、文字通り耐火性はあるものの、例えばバールなどによるこじあけを想定していないものがあるそうです。
一方の「防盗金庫」ですが、重さも100kg以上のものが主流のため、ホームセンターなどでの流通はしにくいようです。

金庫については日本工業規格(JIS)があり、JISマーク付の製品は、バールなどを用いた15分間の破壊実験に耐えられるものであるため、最低限の防犯機能は備えているとされています。

大事なものを保管するのが金庫の役割です。どのような役割を金庫に求めるのかをよく検討する必要がありそうです。

1万円札増刷

一万円札が8年ぶりに増刷されます。

財務省は通貨の流通量を踏まえて毎年この時期に、その年度の通貨の製造計画を立てています。
それによると、今年度は一万円札を12億3000万枚製造し、昨年度と比べて1億8000万枚増やすことが決まりました。
一方で、5千円札は8,000万枚、千円札は1億枚の減少です。

8年ぶりに一万円札の増刷となった背景には、「タンス預金」にあるという見方があるようです。
低金利が続いていたなか、マイナス金利政策でさらに金利が下がり、金融機関に預けるメリットが小さくなったことや、マイナンバー制度によって金融資産の残高などが国に管理されるのではないかという懸念が「タンス預金」へと流れ出たという見解です。

一方、貨幣の製造枚数は1円玉の製造を昨年度よりも約5200万枚、5円玉は7000万枚、10円玉は1000万枚減らします。電子マネーの普及を受けて、小額の貨幣の使用が少なくなっていることなどが背景にあるようです。

ところで、ほとんどの人が1円玉から一万円札までお金として何の意識もなく使用していると思いますが、この紙幣と貨幣(硬貨)、発行母体が異なります。

紙幣の正式名称は日本銀行券といい、それぞれのお札にも「日本銀行券」と印刷されています。この言葉からも分かるとおり発行しているのは日本銀行です。
一方、貨幣を発行しているのは国です。それそれの硬貨にも「日本国」と表記されています。

なぜこのようになっているかいうと、国の都合で紙幣を発行させないためです。政治の都合で紙幣の発行がコントロールされると経済の独立性ははくなり、独裁となることもあります。
このため、日本銀行に紙幣の発行権を与えて政府から独立させています。
なお、貨幣については国が発行できますが、市場に与える効果は小さいためと言われています。

2つの免税店

免税店が2種類あるのはご存知でしょうか。

ひとつは空港の出国手続き後の出発エリアにあるもので、海外旅行をする際には立ち寄ったことがある方も多いのではないでしょうか。
もう1つは、最近では市中でよく目にするようになった免税店です。主として外国人の買い物向けの店舗で、こちらは秋葉原をはじめとして現在ではいたるところに存在しています。

この2つの免税店ですが、大きな違いがあります。

前者は、消費税だけでなく、関税・たばこ税・酒税なども免税になる「デューティフリーショップ」(保税免税店)です。
後者は、消費税だけが免税になる「タックスフリーショップ」(消費税免税店)です。

「duty-free」と「tax-free」日本語ではどちらも「免税」と表現されてしまいます。
日本語に訳すと、「duty」は「義務、責務、関税、税」などに、「tax」は「税金、公課」となります。訳語にもある通り「duty」のほうは、義務などの意味合いを込めた税ということなるようです。

この保税免税店と消費税免税店ですが、根拠法や所管官庁も違います。

保税免税店の根拠法は関税法、管轄は財務省関税局
消費税免税店の根拠法は消費税法、管轄が国税庁
です。

いずれの免税店においても販売された物品が国内において消費流通されないことが重要になるため、販売するためにはそれぞれの法律に従った手続きが必要になります。

保税免税店は2016年の1月に沖縄の特定免税店制度以外では初めて、空港でははく市中にオープンしましたが、空港や港湾に免税品の引渡所の設置が必要になるなど、物理的な要件も必要になります。

もう1つの免税店の消費税免税店ですが、以前は販売店ごとに許可を得る必要がありましたが、2015年4月より免税手続きを行う事業者に代理させることができるようになっています。
これにより、例えば商店街などでは各店舗の免税手続きを、一箇所でまとめて行うことができるようになりました。

どうなる消費税

2016年度の税制改正も決まり、税理士としても本格的に新税制に対応していかなければならないところですが、まだ動向を注視しなければならないこともありそうです。

ずばり言ってしまえば消費税関連です。経緯をおさらいしてみます。

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(以下、「税制抜本改革法」)により、2014年4月1日から消費税率が8%となりました。
このとき既に2015年10月1日には、消費税率が10%となることも決まっていましたが、経済状況等を総合的に勘案するといういわゆる「景気判断条項」がつけられていました。

そして、2015年度の税制改正で消費税率10%への引き上げ時期は、2017年4月1日に変更されるとともに、景気判断条項も削除されました。
これによって2017年4月1日には確実に消費税率は10%となるとされていました。

消費税率が10%になるということで、低所得者に配慮する観点から、2017年4月1日より

  • 「酒類・外食を除く飲食料品」
  • 「週2回以上発行される新聞の定期購読料」

を対象に消費税の軽減税率制度を導入し、税率を8%とすることに決まったのが、今回の2016年度税制改正です。

今回の改正は単なる税率変更とは異なり、複数税率となるため、その準備などには相当の費用や時間が必要になります。

しかし、この時期になって当初の予定通り消費税率が10%となるのかという点に、懐疑的な見方が持ち上がっています。

もし消費税率が10%にならないとしたら、軽減税率という概念もなくなってしまうので、今回の税制改正で決定したことも延期や廃止ということになる可能性が高いのではないでしょうか。

今回の消費税関連の変更は社会システムが変わるといっても過言ではありません。
当初の変更予定からすれば、期限は1年を切っており、経過措置を考えれば半年を切っています。

既存の準備をしつつも、注視するといった心構えが必要になりそうです。

2016年度税制改正

2016年度(平成28年度)税制改正に関する法案が2016年3月29日に国会で可決・成立しました。

この法案は2016年2月5日に閣議決定され、国会に提出されたものですので、2ヵ月近く審議されていたということになるのでしょうか。
なお、公布日は3月31日、施行日は特段の定めのあるものを除いて4月1日ですので、既に新しい法律による運営がされています。

以前、税制改正大綱が決定された際に概要をまとめてみましたが、正式決定ということで改めてまとめてみたいと思います。

法人課税

  • 税率の引下げ
  • 生産性向上設備投資促進税制について、期限どおりに縮減、廃止
  • 減価償却の見直し
  • 欠損金繰越控除の更なる見直し
  • 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設
  • 復興を支援するための措置

消費課税

  • 軽減税率制度の創設
  • 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充

個人所得課税・資産課税

  • 三世代同居に対応した住宅リフォームに係る特例
  • セルフメディケーション推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設
  • 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例
  • 個人の寄附税制の包括的な見直し

国際課税

  • BEPSプロジェクトを踏まえた多国籍企業情報の報告等に係る制度の整備
  • 日台民間租税取決めに規定された内容を実施するための国内法の整備

納税環境整備

  • 国税のクレジットカード納付制度の創設
  • マイナンバー記載の対象書類の見直し
  • 加算税の加重措置の導入

やはり、今の時点での最大の関心事は消費税の軽減税率制度でしょうか。
各項目の詳細については、また改めて紹介できればと考えています。

続・タワマン節税

以前、タワーマンションの一室を購入することで相続税額を減額させるいわゆるタワマン節税に歯止めの動きが出てきていることを取り上げました。

その影響なのかタワーマンションの契約率が実際に下がっているようです。

株式会社不動産経済研究所によると、今年1月に1都3県で売り出された新築マンションの契約率は58.6%と前年同月より16.3%低下し、市況の好不況の境目とされる70%を2ヵ月続けて割り込んだそうです。
なかでも、20階以上のタワーマンションの契約率は32.0%となり、過去10年で最低ということでした。昨年の夏ごろは90%を越えていたということなので、かなりの急ブレーキぶりなのではないでしょうか。

前述の歯止めの動きを表す兆候も実際にあり、国税庁では評価額と実勢価格の乖離を調べていたり、総務省でもタワーマンションの評価に関する提案があったりしているようです。
ただ、こうした兆候はあるものの、実際には何も決まってはいませんので、現状は疑心暗鬼状態ということになるのかもしれません。

そもそもこのタワマン節税の歯止めの動きは、タワーマンションの高層階は「億ション」などと呼ばれるように高額なことが多いため、富裕層しか受けられない節税ということで、課税の公平の見地からよろしくないというものです。

しかしながら実際にお金を使えるのは、お金を持っている人だけという事実もあります。
実際の影響の程度は定かではありませんが、今回のような将来の動向を示す情報が流れただけで契約率は下がりました。これは、その分世の中にお金が回らなくなっていることも意味します。

原則論か、実態か、落としどころがどのようになるか、今後に注目です。

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さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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