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源泉徴収漏れ・後編

本日は、源泉徴収漏れの後編です。
途中からで話が分からないという方は、「源泉徴収漏れ・前編」をご覧下さい。

源泉徴収漏れを指摘されるのは、前編でいうところの、税理士に100万円の報酬をそのまま支払っていたケースです。
本来なら10万円を源泉徴収して納付しなければならなかったのですが、これを行っていなかったということで、会社は源泉徴収すべきであった10万円を納付することになります。
なお、加算税や延滞税がかかることがありますが、ここでは考慮しないこととします。

源泉徴収漏れ分を納付したら

源泉徴収義務者がその義務を履行していなかったので、納付する。
ここまではよいとして、この先どのようになるのでしょうか。

前編でも述べましたが、納付するのは税理士に課税される税金です。
本来、源泉徴収義務を履行していれば、10万円を国、90万円を税理士となり、会社の支出は合わせて100万円となります。
源泉徴収漏れが指摘され納付した場合は、10万円を国、100万円を税理士に支払っていることになり、会社の支出は合わせて110万円です。

このままでは、会社は10万円多く負担することになってしまいます。
義務があるとはいえ、源泉徴収税額は、最終的には他者の税金に関わるものです。このままでは道理が立ちません。
この10万円についてですが、結論を言うと、税理士が負担するということになります。

源泉対象者が負担

その方法は、

  1. 後の報酬の支払いの際に差し引く
  2. 直接請求する

です。このように10万円が処理されると、その差し引いた、又は、入金されたときに、その金額は源泉所得税として扱われます。

例えば、「1」のケースでは、100万円の報酬から差し引く源泉所得税は10万円ですが、そこからさらに徴収漏れが指摘された10万円を差し引いて、80万円を税理士に支払います。
この場合、税理士は自身の確定申告の際に、源泉徴収税額を20万円として申告します。

前編では、税理士が直接納付する税額は30万円‐10万円の20万円でしたが、この場合は30万円‐20万円の10万円となるわけです。
全体的にみれば、これで辻褄が合うことになります。

辻褄が合えば、それで良い?

辻褄が合うから問題がないかといえば、そうとも言い切れません。
例では、源泉徴収の相手が税理士でしたが、これが通常の取引先であったならどうでしょうか。

源泉徴収をせず100万円の報酬支払っていたときに、「源泉徴収漏れが指摘されましたので、次の支払金額は80万円となります。その後は90万円の支払いとなります。」というようなことを取引先に説明しなければならなくなるわけです。
関係悪化につながらないとも言い切れません。
事業を営んでいると、法人税や所得税、消費税などは気にすることが多いと思いますが、源泉所得税も決して軽視できない税金です。

なお、これまでの説明に関しては、源泉徴収漏れに関しての全体的なイメージをつかんで頂きたい為に、詳細を省いていたり、その他の取り扱いがあるものもありますので、そちらはご留意ください。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

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