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競馬の馬券の払戻金に係る課税について

本日の2月15日は確定申告の受付開始日の前日ですが、国税庁から「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」と言う情報提供がされました。
競馬ファンではなくとも、馬券の払戻金に係る課税について裁判が行われていたことを知っている人も少なくないのではないでしょうか。

この裁判ですが、行われていたのが1つではなく、それぞれ判決が異なるものとなりました。

  • 最高裁平成29年12月15日判決は、馬券の払戻金については雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当する
  • 東京高裁平成28年9月29日判決(最高裁平成29年12月20日上告棄却)は、馬券の払戻金については一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当しない

というものです。
どちらも馬券を購入している(競馬をやっている)といことは変わらないのですが、至った結論は180度異なるものと考えてもよいものです。
一体何が結論を左右することになったのでしょうか。

判断は総合考慮

競馬の馬券の払戻金の所得区分については、馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して区分されるというのが、どちらの裁判においても共通して述べられています。
具体的な内容は、国税庁が提供した情報に掲載されていますが、裁判の内容を引用するような形の説明となっています。

また、具体例を示したうえで、それに該当しない「いわゆる一般の競馬愛好家の方」につきましては、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できないことを付け加えています。

一時所得と雑所得

ここまで「一時所得」「雑所得」という言葉が登場していますが、所得税の計算では所得(収入)をその内容によって分類します。

今回は競馬の馬券の払戻金が、このどちらになるかで争われていたわけですが、大雑把にいってしまうと、

  • 一時所得は、当たった馬券の購入費用しか控除できない
  • 雑所得は、外れた馬券の購入費用の控除できる

という違いになります。

還付請求ができる

今回の裁判の判決による影響は、過去に遡って適用されますので、税金を納めすぎとなった場合は、請求をすれば還付を受けることができます。
ただし、請求可能期間は法定申告期限等から5年です。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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