医療費通知
医療費控除に関する税制改正により医療費控除の明細書の提出が義務になった一方で、医療費の領収書の提出・掲示をしなくてもよくなるなど提出書類が簡略化されました。
ただ簡略化されたといっても5年間は自分で保存しておかなければなりません。
今までは税務署に提出したらそれで終了となっていましたが、税務署もその処理・保管が大変なようです。
「疑問があったら聞くから、自分で保存しといてね。」というのが本音ではないでしょうか。
さて、医療費控除の明細書ですが、従来のものに比べて「医療費通知に関する事項」というものが追加されています。
「医療費通知に関する事項」は、「医療費通知」を確定申告書に添付する場合に記載する項目となります。
「医療費通知」を利用するメリットは以下の通りです。
- 明細書の記載を省略できる
- 通知に係る医療費の領収書の保存も不要
今回の改正で明細の記載と領収書の保存が基本的な取り扱いとなったのですが、「医療費通知」を利用すればこれらの処理が不要となります。
医療費通知の要件
納税者側の事務負担が大幅に減少する「医療費通知」ですが、この制度を利用できる「医療費通知」として以下の6項目の記載が求められています。
- 被保険者等の氏名
- 療養を受けた年月
- 療養を受けた者
- 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
- 被保険者等が支払った医療費の額
- 保険者等の名称
「医療費通知」≠「医療費のお知らせ」
健康保険組合などから送られてくる「医療費のお知らせ」ですが、「医療費通知」として利用できないものもあります。
これは「医療費のお知らせ」などへの記載する内容は、各医療保険者の任意となっているためです。
丁寧に「医療費控除に使用できない」旨の記載があるものもあります。
つまり「医療費のお知らせ」などのうち、上記の6項目が記載されているものが「医療費通知」となります。
「医療費のお知らせ」を明細書として利用
6項目全ての記載がなくとも、「医療費のお知らせ」などにはある程度の医療費控除に必要な情報が記載されています。
自己負担額ではなく医療費総額のみが記載されていたり、医療機関の名称の記載がなかったりと必要な情報のうち一部が欠けているということがほとんどです。
この場合、その欠けている部分を追記補完することで、「医療費控除の明細書」として利用することができます。
これによって「お知らせ」に記載されている部分については、一から明細書を作成しなくてもよくなります。
ただ注意が必要なのは、あくまでも「医療費控除の明細書」として利用できるだけで、「医療費通知」としては使えません。
追記補完した「医療費のお知らせ」などは「医療費控除の明細書」扱いとなりますので、これに係る医療費の領収書の5年間の保存が必要となります。
さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT
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関東信越税理士会浦和支部所属
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