司法取引
司法取引と言えば、映画などでよく見るシーンなのかもしれません。
刑事役と容疑者役の役者の間で「取引をしないか」などといったシーンを見ることがあります。
司法取引の一般的な認識としては、容疑者が犯罪捜査に役立つ情報を提供することで、自らの罰を軽減しようとするもの。ということになると思います。
こうした司法取引ですが、いよいよ日本でも導入されるようです。
既に法律は成立している。
日本は法治国家ですので、新しい制度や仕組みを導入しようとするときは、法律を作らなければなりません。
司法取引についても然りです。
ただ、その法律は2016年に成立しています。
法律自体は成立していたものの、施行されていなかったことになります。
それが今回施行されるという話なのですが、「6月1日から開始される方針」などと報道されているようです。
ただ、実際に法令を検索してみると、施行日が「平成30年6月2日」と記載されています。
方針なのか決定事項なのか、6月1日なのか6月2日なのか、いまいち定かではない部分はありますが、法律が成立している以上、いずれは施行されるものなのだと思います。
司法取引の中身は?
ここまで「司法取引」と表現していますが、法律に「司法取引」という言葉があるわけではありません。
法律では、「証拠収集等への協力及び訴追に関する合意」という章が新たに設けらえることになるようです。
では、どのように規定されているかといえば、
「検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件(以下単に「他人の刑事事件」という。)について一又は二以上の第一号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性の程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、被疑者又は被告人との間で、被疑者又は被告人が当該他人の刑事事件について一又は二以上の同号に掲げる行為をし、かつ、検察官が被疑者又は被告人の当該事件について一又は二以上の第二号に掲げる行為をすることを内容とする合意をすることができる。」
と規定されています。
上記は最初の本文のみで、この後も規定は続きますが、司法取引の内容を示したものとなります。
被疑者等の行為については「真実の供述」「必要な協力」、検察官の行為については「公訴を取り消す」という言葉が記載されています。
なお、「特定犯罪」とありますが、こちらについても多くのものが規定されているようです。
また、司法取引の合意は弁護士の合意がなければならないとされていますので、弁護士が司法取引の証人という役割を担うことになるのかもしれません。
まだ施行されていませんが、司法取引は犯罪捜査に役立つとされている一方で、うその供述や罪をかぶせるという危険性も指摘されているそうです。
さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT
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