正規と非正規、給与格差


正規雇用と非正規雇用の年間の給与の差が、平均で315万円ということが分かりました。
国税庁から発表される「民間給与実態統計調査」から明らかになりました。

民間給与実態統計調査

昭和24年分から始まり、毎年実施されています。
昭和29年分の調査から統計法に基づく指定統計となり、平成20年分の調査から基幹統計とされているそうです。
基幹統計の一覧は総務省のホームページから見ることができます。

各省庁ごとに担当している統計内容が記載されており、国税庁が担当する基幹統計は民間給与実態統計調査のみのようです。
民間給与実態統計の目的は、民間の事業所における年間の給与の実態を明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることとされています。

315万円の差

冒頭の「315万円の差」ですが、これだけではどのような状況の下に算出された結果なのか分かりません。
少し掘り下げてみたいと思います。

調査の特色と対象

従事員1人の事業所から従事員5,000人以上の事業所まで広く調査しています。
また今回(平成28年分)の調査は、平成28年12月31日現在の源泉徴収義務者(民間の事業所に限る。)に勤務している給与所得者(所得税の納税の有無を問わない。)を対象としています。
調査は「民間給与」について行われいますので、公務員などは除かれています。

調査の方法

第1段階として、事業所の従事員数等によって層別し、それぞれの抽出率で標本事業所を抽出。標本事業所に調査票を送付。
第2段階として、標本事業所の給与台帳を基にして、一定の抽出率により標本給与所得者を抽出。ただし、年間給与額が2,OOO万円を超える者は、全数を抽出。

このような形で調査が行われています。

1年を通じて勤務した給与所得者

さて、「315万円の差」ですが、これは「1年を通じて勤務した給与所得者」の正規雇用と非正規雇用の差ということのようです。
では、「1年を通じて勤務した給与所得者」とは、となるのですが、「平成28年の1月から12月まで引き続き勤務し、給与の支給を受けた月数が12か月の者」となっています。

非正規雇用であれば、例えば、週3日、週4日というような勤務形態があると思うのですが、その当たりを言及している説明は見当たりませんでした。諸々含めてということなのかもしれませんが、少し考察してみましょう。

正規雇用の平均給与は487万円、非正規雇用は172万円で、その差額が315万円となります。
仮に非正規雇用で、時給1,000円、1日8時間勤務、所定労働日数は250日とすると、

1,000円×8時間×250日=200万円

となります。時給900円でこの計算をすると180万円です。

このことからすると、所定労働日数については、正規雇用の人とそれ程変わらないのではないかという見方もできるのではないかと思います。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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