3%で炎上?
「炎上」を辞書で引くと、火が燃え上がること。となりますが、現在では、このような様を比喩的に用いて、ネット上の失言などに対して、非難が殺到し収拾が付かなくなっている事態や状況を表す言葉として用いられます。
実際に「炎上」とネット検索すると、ネット上の炎上が検索結果の上位に示されます。
今回、ネット上の炎上の関与は3%と少数という記事があり、文化庁の調査による結果ということでしたので、実際に文化庁の調査結果というものを見てみました。
文化庁の調査はネット上の炎上に主眼をおいて調査をしたわけではなく、平成28年度の「国語に関する世論調査」の中に、ネット炎上に関する調査が行われていたようです。
「国語に関する世論調査」は平成7年から毎年実施され、調査対象は全国16歳以上の男女です。
平成28年度の調査時期は、平成29年2月~3月で、一般社団法人中央調査社に委託し個別面接調査が3,566人に実施され、有効回答数は2,015人でした。
個別面接調査で有効回答とならなかった1,551人も気になるところですが、話を先に進めます。
調査はいくつかのカテゴリーに分かれて行われていたようで、カテゴリーは以下の通りです。
- コミュニケーションの在り方・言葉遣いについて
- 相手に配慮したコミュニケーション
- 情報化の中でのコミュニケーション
- 書き言葉のコミュニケーション
- 具体的な場面における言葉遣い
- 新しい表現や、慣用句等の意味・言い方
先のネット炎上に関する調査は「情報化の中でのコミュニケーション」に分類されます。
ネット炎上に3%が関与というのは、
「いわゆる「炎上」を目撃した際に書き込みや拡散をするか」
という問いに対して、
- 大体すると思う…0.5%
- たまにすると思う…2.2%
を合わせた「すると思う(計)」が2.8%ということに起因しています。なお、
- 全くしないと思う…53.2%
- ほとんどしないと思う…10.1%
を合わせた「しないと思う(計)」は63.2%で、その他に「インターネットを利用しないので答えられない」が30.9%となりました。
このことから、ネット炎上に関与しているのは全体の3%程度と見ることができるいうことになります。
なお、インターネットを利用していないの答えられなかった人を除いて、回答者の全てがネット利用者と仮定して算出した割合は4%程度でした。
いずれにしても、少人数によってネット炎上が起こっている可能性が高いことが示唆されています。
ネット炎上が起こると、アクセス数の増加などで、注目度が高い項目として取り上げられ、場合によってはテレビなどのメディアで取り上げられることもあります。
特にテレビなどで取り上げられると、あたかもそのような意見が多いものとして受け止められてしまうこともあるのかもしれません。
また、炎上の多くは、リンクされた引用元の記事などをきちんと読まずにタイトルだけ読んでコメントという反射的な投稿の連鎖によって起こっているともいわれています。
このようなことは、炎上に限らず、インターネットの世界では起こりえる話です。
情報収集にはインターネットを利用するということが当然のように行われる便利な時代ですが、本質に辿りつくには、相応の労力が必要になるのは、今も昔も変わらないのかもしれません。
さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT
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