ネット年末調整は情報収集?


引き続き、インターネットによる年末調整に関する話です。
他の報道などをみると、やはりマイナポータルの活用が考えられているようでした。
2018年度の税制改正案に盛り込み、2020年度の導入が目指されているということも掲載されていました。
ネットによる年末調整に関する話で1つ気になったのは、事業主からもネット経由で税務署に提出する。という話が掲載されていたことです。

現状の年末調整の流れを見ると、

  1. 従業員が事業主に年末調整に必要な書類を提出
  2. 事業主が提出を受けた書類に基づいて年末調整
  3. 従業員に対して、その年最後の給与の支払時に過不足額を精算
  4. 事業主は、全ての従業員の過不足額を加減算して、源泉所得税額を国(税務署)に納付

ざっと、このような流れです。

つまり、現在事業主が税務署に提出しているのは、納付額が記載された納付書のみです。
従業員から提出された書類や、それに基づいて行われた処理の内容などは、事業主によって保管されます。

「ネット経由で税務署に提出」の意味するところは分かりませんが、もし、各従業員に関する年末調整に関するデータをそのまま提出するということであれば、今までにない量の個人情報が税務署に集まることになります。
氏名、生年月日、住所、家族構成、勤め先、年収、加入している保険、などなどです。

実は、現在でもこうした情報が税務署に提供されている人もいます。

法定調書と呼ばれるもので、一定以上の収入がある人は、源泉徴収票が税務署に提出されています。
なお、従業員等が居住する市区町村などには、住民税の計算に必要なため、収入の多寡に関わらず、原則としてその従業員等の源泉徴収票の内容が提出されています。
また、自身で確定申告書を提出している人については、いわずもがなです。

本来、税務署は調査権も有していますし、これらの情報を取得する権利も有しています。
ただ、年末調整は事業主が行うという手前、各従業員についてのいわゆる「内訳」については、事業主の事務負担を考慮してか、及んでいませんでした。

前述したとおり、「ネット経由で税務署に提出」が示すところは現在のところ不明ですが、税金の算定に必要な情報と考えれば、前述のような取り扱いになってもおかしくはありません。
そのようになった場合、量質共にものすごい情報となります。
もはや分からないのは、趣味や人間関係といったようなことだけになるのかもしれません。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

お問い合わせはこちらから

免責事項

当サイトに掲載する情報に関しまして、細心の注意、調査を行って掲載しておりますが、当サイトのすべてに関して、誤りや変更などに伴うくい違いが含まれる場合もございます。従いまして、これらの正確性および完全性を保証するものではありません。当サイトで公開している情報もしくは内容をご利用されたことで、利用者もしくは第三者の方が直接又は間接的に被害を生じた場合について、当人は一切責任を負うものではありません。