ちょっと戸惑うfreeeの処理‐請求書編


クラウド会計ソフトのfreeeですが、ちょっと戸惑ってしまう場面があります。
今回は請求書編です。

他のクラウド会計ソフトにも同様の機能があったりしますが、請求書を作成すると同時に帳簿も作成できる機能です。
以前からの経理業務といえば、先方に送るために請求書を作り、その請求書を元に帳簿を作るという作業が一般的です。
入力する内容がほぼ同じなのであれば、一度で済ませられるのでは?。という発想から生まれた機能なのだと思います。
書式やひな型は限定されますが、それさえ使用条件にあえば、一石二鳥の機能です。

この請求書ですが、作成すると、

(借方)売掛金(貸方)売上

という仕訳が自動で作成されます。仕訳自体はこれで間違いありません。問題はこの仕訳がいつの日付で記帳されるかということです。
売上をいつ計上するかということにつながるのですが、会計的にいうと、売上が実現した日に計上します。
売上が実現した日とは、商品販売業であれば、商品を引き渡した日です。つまり7月に引き渡したら7月の売上ということになります。

実際に請求書を作成するとなると、継続して取引がある場合などは特に、例えば月末にその月の売上を締めて、翌月の10日に請求するというようなことが多いのではないでしょうか。つまり、実際に請求書を作成する日は、売上月の翌月となるわけです。

このケースでは、特に何も意識せずfreeeで請求書を作成すると、先程の仕訳は、8月の日付で記帳されます。
この場合には、7月に6月分の売上が計上されていることが多くなります。
帳簿を時系列で見ると、毎月売上が計上されているので、一見、正しく記帳されているように見えますが、実は売上の計上が1ヶ月ずつずれていることになります。決算でこれを見落としてしまうと、「売上計上漏れ」です。

もちろんこれを解決する方法があります。

先程、「特に何も意識せずfreeeで請求書を作成すると」と申し上げましたが、ひと手間加えることで解決します。
方法は2つあります。

freeeで「請求書の作成」をすると、必須項目の中に「請求日」があります。1つはこの日付を実際の売上月の末日などにしてしまうことです。

もう1つは、「請求書の作成」の中に「追加情報(取引先詳細、売上計上日)」というものがあります。
これを選択すると、「売上計上日」が現れます。この日付を売上月の末日すれば、実際の売上月と帳簿の記帳日が一致します。
この場合は「請求日」と「売上計上日」をそれぞれ選択することが出来ます。

この「売上計上日」は、必須項目とはなっているのですが、デフォルトでは隠れていて、「請求日」に入力されている日付が初期値として入力されています。
よって、別途入力しなくとも、請求書の作成が完了してしまいます。

売上は税務調査でも必ず確認されますので、個人的には、別途入力が必要になるフォーマットでも良いのではないかと思います。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

お問い合わせはこちらから

免責事項

当サイトに掲載する情報に関しまして、細心の注意、調査を行って掲載しておりますが、当サイトのすべてに関して、誤りや変更などに伴うくい違いが含まれる場合もございます。従いまして、これらの正確性および完全性を保証するものではありません。当サイトで公開している情報もしくは内容をご利用されたことで、利用者もしくは第三者の方が直接又は間接的に被害を生じた場合について、当人は一切責任を負うものではありません。