平成30年度税制改正に関する建議書


日本経済新聞の紙面一面に「税理士の主張」と称して、平成30年度税制改正に関する建議書の重要建議項目が掲載されていました。
日本税理士会連合会による意見広告です。

「税制改正に関する建議書」は毎年作成されます。
税理士法には、「税理士会は、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。」(49条の11)、「日本税理士会連合会について準用する。」(49条の15)と規定され、税理士会及び日本税理士連合会には、いわゆる建議権を有することが認められています。

日本税理士会連合会は毎年、この建議権の規定に基づいて財務省、国税庁、総務省、政府税制調査会等に「税制改正の建議」を行っています。

税理士会は税理士の集まり、日本税理士会連合会は税理士会の集まりですので、建議書は税理士が作成しているといったも過言ではありません。
本来要望自体も随時受け付けているのだと思いますが、年一回は、税理士会の各支部から会員である税理士に建議要望項目がないか案内がされます。(少なくとも浦和支部では案内があります。)

さて、「平成30年度税制改正に関する建議書」ですが、重要建議項目として5つ、個別項目として31の項目を挙げています。
重要建議項目は次の通りです。

  1. 消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持について
  2. 所得控除の抜本的見直しについて
  3. 中小法人に対する繰越欠損金控除制限及び外形標準課税の不適用について
  4. 償却資産に係る固定資産税の抜本的見直しについて
  5. 個人事業者番号の導入について

となります。

どれも大切な内容ですが、個人的にあえて取り上げるとしたら、「個人事業者番号の導入について」でしょうか。マイナンバーの取り扱いに関わる内容となります。

全ての人に番号が割り当てられたマイナンバーですが、割り当てられたのは個人だけではなく、法人などの事業体も割り当てられました。前者を個人番号、後者を法人番号として区別されます。

区別される理由は、個人番号は個人の税・社会保障・災害対策のみに利用されるのに対し、法人番号は利用制限がないためです。
よって、個人番号は情報保護の観点から、厳格な取り扱いが規定され、法人番号についてはそのような規定はありません。

しかし、税分野に個人番号が利用されることから、個人事業者等は要件に該当する取引先などがあれば、個人番号を提供しなければなりません。
要件の該当先が増えるほど、個人番号を多くに提供するということになります。
もちろん個人番号の提供を受けた側には、厳格な取り扱いが求められてはいます。

大切な情報だから利用を制限している反面、制限内の利用であれば、その数が多くとも個人番号が当然のように提供されるという事態が生じてしまうわけです。
個人番号とは別に個人事業者番号があれば、このような問題は解決するのではないでしょうか。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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