国税庁より、「税務行政の将来像」という資料が公表されています。
毎年度定期的に公表される内容の資料とは対照的に、今回の資料は初めての内容のように思えます。
なぜ今回、このような資料の公表に至ったのかと思うところですが、国税庁曰く、
- 財務省設置法第19条には、国税庁の任務として、内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現が定められている
- 国税庁の任務を十分に果たしていくためには、税務行政の透明性の観点から、中長期的に目指すべき将来像について国税当局として考えていることを明らかにし、着実に取り組んでいくことが重要と考えている
ということのようです。
一般企業で言うところの、中長期経営計画といったところでしょうか。
この「税務行政の将来像」ですが、サブタイトルは「スマート化を目指して」とされており、税務行政の目指す方向が示されています。
公表されている資料には、スマート化を目指す理由として、以下の環境の変化を挙げています。
- ICT・AIの進展
- マイナンバー制度の導入
- 経済取引のグローバル化
- 定員の減少と申告の増加
- 調査・徴収の複雑・困難化
です。
「環境」というと、外的要因をイメージするところですが、ICTの推進はここ数年国税庁が推し進めていたことですし、マイナンバー制度の導入は国の政策です。税務職員の定員の減少も人口減少という背景があるものの、その定員を定めているのは行政です。
私達一般市民からしてみれば、公官庁・行政というと、全てひとくくりにして考えてしまうところですが、それぞれを担当する省庁などが異なると、それも「環境」ということなのかもしれません。
資料には目指すべき将来像として、「スマート税務行政」が掲げられています。
そのスマート税務行政実現のための項目はいろいろと挙げられていますが、第一印象としては「ICTのさらなる推進」という印象を受けます。
自動化・デジタル化により、対人業務を減らし、こうした取り組みにより創出した人員を、国際的租税回避への対応、富裕層に対する適正課税の確保、大口・悪質事案への対応などの重点課題に割り当てるといったことを考えているようです。
「税務行政の将来像」は、現時点で考えられるおおむね10年後のイメージを示したものとされています。
税務行政の変化は、納税者はもちろんのこと、税務に関係する業務を行う者にとっても大きな影響を及ぼします。税理士などはその最たるものになるのではないでしょうか。
この将来像の公表は、「これから税務行政は変わっていくよ」という行政側からのメッセージのようにも思えます。