12月に入り、今年も残すところ1ヶ月を切りました。
来年の話をすると鬼が笑うようですので、本年中に処理すべき年末調整の話をもう少し続けて生きたいと思います。
年末調整はその年最後に給与等の支払をするときに調整するものです。支払いの基準日となりやすいゴトー日を考えると、12月5日が年末調整の第一陣となりそうです。それまでに一通りの解説を終えることは難しそうですが、こちらはこちらで粛々と進めていきたいと思います。
今回は、社会保険料控除です。
申告書には社会保険料控除の枠として、配偶者特別控除の枠の下に2行ほど記入欄が設けてあります。
実際には社会保険という保険はなく、公的保険等の総称です。その内容は、大雑把に言うと医療保険と年金になるのですが、職業などによって加入する団体や根拠法などが異なります。例えば、医療保険で言えば、自営業者は国民健康保険、会社員は健康保険といった形です。
何が所得税の控除の対象となる社会保険料となるかという規定があるのですが、所得税法だけでも12項も列挙されています。
これだけ社会保険の種類が多いにも関わらず記入箇所が2行しかないのはどういうことでしょうか。
これについては公式な見解があるわけではありませんが、ある程度容易に推察できます。
1つは、列挙されている項目が多くとも、その本人が該当するのは、そのうちの数項目となることです。
例えば、個人事業主が事業を止めて就職した場合のように、国民健康保険から健康保険へ移行するような場合でないと、これらの項目の数多くに当てはまることはありません。
もう1つは、給与などから天引きされる社会保険料はこの欄に記入する必要がないことです。
給与所得者の保険料控除兼給与所得者の配偶者特別控除申告書は会社など給与の支払をしている者に対して提出するものです。わざわざ社会保険料を記入して提出せずとも、会社が給与から控除する金額として既に計算しているため、記入は不要となります。
このため、先ほどの個人事業主が事業を止めて就職した場合も、実は国民健康保険の金額のみを記入すればよいので、記入欄がさらに必要になるということはないのです。
ただ、記入欄が足りなくなることはないのかと言えばそうでもありません。社会保険料控除は自分の分のみならず、生計を一にする親族の分を支払った場合にも控除の対象となります。
申告書には、「保険料を負担することになっている人」という欄が設けてあり、原則どおり記入すると2人分しか記入することができないことになります。このような場合、実務ではまとめて記入してしまいます。