ご存知ですか下請法


下請法という法律をご存知でしょうか。
正しくは「下請代金支払遅延等防止法」といい、下請取引の公正化や下請事業者の利益保護を目的とした代表的な法律です。

この法律は、基本的には親事業者が守るべき行為を定めていて、守られない場合には、行政が法的措置をとることもあります。

下請法の位置づけは独占禁止法の補完法となります。独占禁止法と聞くとやや縁遠く聞こえてしまいますが、優先的地位を利用した過剰な行動等の防止と考えれば納得がいきます。独占禁止法と異なり下請法では発注者の資本金区分により優先的地位の有無を判断しています。

適用対象

  • 製造委託、修理委託、運送委託、倉庫保管委託、プログラム作成委託、情報処理委託を行う場合
    • 発注者が資本金3億円超、かつ、受注者が資本金3億円以下(個人含む)の場合
    • 発注者が資本金1千万円超3億円以下、かつ、受注者が資本金1千万円以下(個人含む)の場合
  • 上記以外の役務提供委託や情報成果物作成委託を行う場合
    • 発注者が資本金5千万円超、かつ、受注者が資本金5千万円以下(個人含む)の場合
    • 発注者が資本金1千万円超5千万円以下、かつ、受注者が資本金1千万円以下(個人含む)の場合

となります。

これらに該当する発注者の義務として、下請法では4つの義務と11の禁止行為を規定しています。

4つの義務

  1. 書面の交付義務
  2. 書類作成・保存義務
  3. 下請代金の支払期日を定める義務
  4. 遅延利息の支払義務

11の禁止行為

  1. 受領拒否の禁止
  2. 下請代金の支払遅延の禁止
  3. 下請代金の減額の禁止
  4. 返品の禁止
  5. 買いたたきの禁止
  6. 物の購入強制・役務の利用強制の禁止
  7. 報復措置の禁止
  8. 有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
  9. 割引困難な手形の交付の禁止
  10. 不当な経済上の利益の提供要請の禁止
  11. 不当な給付内容の変更およびやり直しの禁止

なお、下請法の適用を受けない取引であっても、独占禁止法において取引上優越した地位にある事業者が、その地位を利用して取引の相手方に対し、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることが禁止されています。

その他関連する法律として、親事業者による取引停止の事前予告や下請代金の支払方法の改善などを下請取引の一般的な基準として定めた下請中小企業振興法などがあります。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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