土地の持ち主や境界が不明なままなのが原因で有効活用ができないケースが各地で相次いでいるようです。
問題解決が先送りになればなるほど、いっそう深刻になってしまうということもあり、事態は切迫しています。
ある市では、農地の大規模集約化を促そうとしても、思うように進まず「市ではどうしようもない」と嘆いているそうです。
農地の集約では所有者と賃貸契約などを交わす必要がありますが、
- 現在の所有者がわからない
- 死亡した人の名義にままになっている
などで、契約の相手方を特定できないことが多いのが原因です。死亡した人の名義のままになっているケースは、対象地の3~4割に達するとのことでした。
このようなケースでは、その相続権者を探し出す必要がありますが、地元に残る人は少なく手間とコストがかかりすぎてあきらめざるを得ないようです。
長崎県では、明治時代に47人の共有地として登記された原野があり、2008年に用地交渉を始めたものの、相続権者が約500人に達し、現在でも解決のめどは立っていないというところもあるようです。
このような事態になっている一因として、不動産の登記は任意であることが挙げられます。
任意であるといっても通常は、登記をします。例えば、不動産の売買をした場合に、所有権移転の登記をしなければ、登記上の所有者は売主のままになってしまいますので、事実にそぐわないだけでなく、悪用される恐れもあるからです。
ただ、相続によって取得した場合には、このようなリスクが少ないからか、そのままにしているケースが多々見受けられます。
昨年、空き家対策特別措置法が施行され、特定空家等については、行政による強制執行ができることとなりましたが、これは放置されている空家が倒壊するなどの被害を防止するために施行された法律です。
土地についても放置されることで、周囲に被害が及ばないとはいえませんが、同じような法律ができるかどうかといえば、難しいのかもしれません。