健康保険料の上昇


大企業の会社員が入る健康保険の保険料負担が増えているようです。

保険料の平均は9年連続で引き上げとなり、この間の典型的な会社員の負担増価額は5万円を超えるに至っています。
高齢化に伴う医療費増加が原因で、今後も保険料率の上昇は続く見通しです。

主に大企業は医療保険組合を設けており、保険料は企業と従業員で拠出しています。原則は折半ですが、企業が多めに負担する例もあるようです。加入者は約2900万人で健保組合は約1400あります。

健康保険組合連合会(健保連)は、これらの組合の2016年度予算の集計結果をまとめたところ、1人当たりの平均保険料が過去最高を更新しています。
また、労使の負担する保険料が上昇しても、医療費の増加に伴う支出の増加をまかなえず、赤字の健康保険組合が全体の約64.4%となりました。

約3500万人が加入する中小企業向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)に比べて財政が健全とされてきましたが、協会けんぽの平均保険料率10%を超える健康保険組合は200を超えていて、解散する例も出ているようです。

健保連の集計では、

  • 2016年度は、1384億円の経常赤字
  • 保険料収入は、前年度比2.24%増の7兆6,995億円
  • 法定給付費は、前年度比3.80%増の3兆9,793億円
  • 支援金・納付金額は、前年度比0.13%増の3兆2,938億円

となっていました。

医療給付費である法定給付費が増えたのは、高齢化に加えて、医療技術の進歩で高額な治療や薬剤が増えていることが大きいようです。
また、高齢者医療制度などへの支度金・納付金は現状で保険料収入の約43%を占めていますが、来年度はさらに増える可能性があります。

高齢者医療における後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入され、加入者の年収が高い健保ほど支援金が増えるようになっています。総報酬割部分が2015年度では2分の1、2016年度には3分の2に引き上げられ、2017年度から全面総報酬割が実施されます。

保険料負担は労使で共に負担していますので、負担が増えれば、労使ともに可処分所得が減少することになり、景気にも影響を及ぼすことになります。医療費を抑制するためには、いろいろとやらなければならないことがあると思いますが、健康維持が一番重要になりそうです。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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