リスクコミュニケーション


世界保健機構(WHO)傘下の国際がん研究機構(IRAC)から発表されました「赤肉・加工肉のがんリスク」の調査結果が混乱を招いたようです。

発表では、ハムやベーコンなど保存性を高める肉(加工肉)は「発がん性がある」と、牛や豚などの哺乳類の肉(赤肉)は「恐らく発がん性がある」とされました。

赤肉や加工肉をたくさん食べると大腸がんリスクが高まるという研究は、これまでもあったようなのですが、今回の発表に対する関連業界の反発は強かったようです。

加工肉にいたっては喫煙やアスベストなどに比べて「加工肉もこれらに匹敵する」という衝撃的な内容だったにもかかわらず、調査の目的や危険性の度合いなどの情報が十分になかった上での発表というのが大きな理由です。

IRACのメンバーによると、発表趣旨が「うまく伝わらなかった」としています。今回の発表は発がん性を示す根拠があるかどうかを判断するのが主な目的で「国によってどのようなリスクがあるのか、摂取目標をどう設定するのかまでは踏み込んでいない」と話しています。

誤解が広がるのを防ぐためにWHOは「加工肉を食べないように求めるものではない」と追加声明を出しています。

結論から言うと、平均的な日本人にとって赤肉や加工肉の摂取で大腸がんを発祥するリスクは「ほどんど無いか、あっても極めて小さい」となるそうです。

今回の混乱は、発表をする専門家とそれを受け止める社会の間にズレがあることが浮き彫りにされた格好です。
発表に至る前提条件などがあっても社会はこれを単純化して結論が独り歩きしてしまい、その内容によっては風評被害に繋がります。
こうした課題は「リスクコニュニケーション」と呼ばれ、その解決は双方が協力をしていことしかないということです。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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