上場株式の相続税評価


平成28年度の税制改正の内容について、取り上げられるようになってきました。

税制改正の検討は、夏頃に各省庁から提出される要望から始まります。
これらの要望を加味したうえで、年末には税制改正の概略案として、大綱が作成されます。

こうした要望の中に、金融庁から「上場株式等の相続税評価の見直し」というものが挙げられています。

現在の相続税の評価では、上場株式は原則として相続開始の日の最終価格で評価されます。平たく言えば、相続開始の日にその上場株式を売った金額です。
相続税の評価の原則は、相続時の時価となりますので、換金性の高い上場株式等はその日の価格で評価されるのです。
これに対して土地の評価は、公示価格の80%程度となっています。

このため、株は土地などの他の価格変動リスクのある資産に比べると相続時に売却による処分が選択されることが多いようです。

今回、上場株式等の相続税評価の見直しが要望として挙げられた背景には、株式市場からの影響もあるという見方があります。
株式市場では個人は過去10年で株を28兆円売り越しているそうです。
この売り越しには相続税に絡んだ売却も少なからず含まれているのではという見解です。
また、NISAなどいわゆる「貯蓄から投資へ」とする政策にも逆行しているという見方もあるようです。

あくまで一省庁の要望として掲げられただけですので、今後の動向は分かりませんが、我々税理士にとってはまずは「大綱待ち」と言ったところでしょうか。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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