融資拡大
金融機関が中小企業への融資を拡大しているとの記事がありました。
6月末の融資残高の増加率は約4年ぶりに大企業向けを超えて、大手金融機関では9月末も融資を伸ばしたようです。
事業承継や設備投資に伴う資金需要が強く、金融機関側も利ざやが比較的厚い中小企業向け融資に力を入れていることが背景にあります。
日本銀行によると6月末の中堅・中小企業向け融資残高は前年同月比で2.9%増の188兆円でした。大企業向けは2.3%増の97兆円でした。四半期ベースでの増加率の逆転は2011年3月以来だそうです。
事業承継に伴う融資では、オーナー経営者の高齢化が進むなか、本年から相続税が増税になったことも事業承継を促す一因となっていて、後継者の株式買取資金の融資などで行われています。
設備投資の融資も好調で、手元資金が潤沢にある大企業とは異なり、中小企業では借り入れのニーズがあるようです。
また、貸倒れのリスクが低下していることも一因にあるようです。東京商工リサーチによると、2015年度上半期の倒産件数は、バブル期以降25年ぶりの低水準だそうです。
ただ金融機関間の競争も激しく、海外事情などの外的要因もあり、いつまでこのような好循環が続くのかは分からないという見解もあります。