長寿国と年金


日本は世界有数の長寿国です。
2016年の日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳となり、100歳以上となる人も今後増加してくことが見込まれます。

年齢を重ねてからの収入源といえば、年金がその1つに挙げられますが、年金について少し考えてみたいと思います。
日本の公的年金は3種類あり、日本国内に住所のあるすべての人が加入を義務づけられています。
それぞれの制度と加入者は以下の通りです。

  • 国民年金…日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
  • 厚生年金…厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人
  • 共済年金…公務員・私立学校教職員など

この中で最も基礎的な年金である国民年金について見てみたいと思います。

国民年金というと、自営業者などが加入する年金というのが一般的ですが、厚生年金保険の適用を受けている事業所に勤務する者であれば、自動的に国民年金にも加入することになります。
ただし、保険料は厚生年金保険料に含まれますので、給与から天引きされる形で支払っています。

国民年金保険料は平成17年度から増額されてきましたが、一応平成29年度で上限に達することになりました。
平成29年度の計算の基礎となる保険料は毎月16,900円ですが、保険料の改定率が乗じられ、実際の保険料は16,490円となっています。

これから20歳になり、国民年金保険料を支払うとしたら、総額はどれくらいになるのでしょうか。
月16,900円で計算すると、

16,900×12月×40年=8,112,000円

となります。
では、受け取る年金はというと、国民年金のみの加入の場合、65歳からの満額受給で、

年779,300円

です。
ここまでくると、何年で元がとれるのか。と考えてしまいますが、

8,112,000÷779,300≒10.4年

つまり10年と3ヶ月で支払った保険料分の年金を受け取ることになります。
65歳からの受給で10年、74歳です。

平成9年次の平均寿命は、男性が77.19歳、女性が83.82歳でした。
保険料を上回る年金の支給額は、保険料の運用益や税金で賄われることになります。
社会保障費の増大が課題とされていることを考えても、全体で年金の支給額が保険料として集めた金額を上回っているのは、確認はしていませんが、容易に想像できます。

上記のような単純計算ではなく、もっと緻密な試算がなされていることと思いますが、実際はどのようになっているのでしょうか。
分かりやすい資料などがあるのかどうかも分かりませんが、少なくとも楽観視できるような状態ではなさそうです。

 

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

お問い合わせはこちらから

免責事項

当サイトに掲載する情報に関しまして、細心の注意、調査を行って掲載しておりますが、当サイトのすべてに関して、誤りや変更などに伴うくい違いが含まれる場合もございます。従いまして、これらの正確性および完全性を保証するものではありません。当サイトで公開している情報もしくは内容をご利用されたことで、利用者もしくは第三者の方が直接又は間接的に被害を生じた場合について、当人は一切責任を負うものではありません。