日本では世界でも類を見ない高齢化社会となっているためか、自分に万が一のことが起こった場合の準備として様々なものが提案されていたりします。
「エンディングノート」、「終活」といったタイトルが付された書籍も本棚によく並んでいます。
残された親族に迷惑をかけたくない。ということが主な理由の1つとして考えられますが、2015年に行われた相続税の大改正も少なからず影響があったのではないでしょうか。
改正前までは比較的裕福な人にしか相続税が課税されなかったのが、改正により、自宅などの土地付建物と多少の預貯金を有しているというような、いわゆる一般的な家庭においても相続税が課税されるというケースも考えられるようになりました。
自身の財産状況を知ることで、相続税が課税されるかどうかを事前に調べようとする考えもあるように思えます。
「エンディングノート」「終活」といったものは、税金に関することだけではなく、本人にしか知りえないことを事前に整理して、残された人の負担を減らそうということが、主な目的にあります。
こうしたものがないとすると、残された人が遺産の整理をしようにも、手探りとなってしまうからです。
そのようななかで、新たに考慮すべきものとして、デジタルデータが取り上げられるようになりました。
デジタル遺産などと呼ばれたりします。
パソコンなどのデータはもとより、クラウド上のデータやアカウント、ネット口座など、デジタル遺産の種類は様々です。
以前から相続後暫くしてから、被相続人宛ての葉書や封筒が届き、他にも財産があったことが後々発覚したという話もありますが、こうしたデジタル遺産については、手続きはネット上で全て済んでしまい、葉書などの通知もないというケースが多くあります。
よって、基本的に本人にしかその存在が分からず、よしんば分かったとしてもIDやパスワードが分からなければ、その中身までを知ることができないということになります。
金銭的な影響がないものであればまだよいのですが、例えば、ネット証券などで口座を開き、証拠金取引をおこなった状態で相続が発生し、その存在を相続人等が知らぬままであった場合、状況によっては大きな支払いを負担しなければならなくなることもあります。