続・税務署への提出期限


前回、青色申告承認申請書は税務署への提出期限が確定申告書の提出期限と異なることを取り上げました。
このように申請書や届出書の提出期限が確定申告書の提出期限と異なるものとして、他にも代表的なものがあります。

消費税関係の書類です。消費税関係の届出書類はいくつもありますが、その中でも最も提出されている頻度が高いであろう書類をご紹介します。

消費税簡易課税制度選択届出書」です。

この届出書をご説明する前に、消費税の課税制度の概略をかなり大雑把にご紹介します。
詳細は個別事案によって異なりますので、ザックリとしたイメージとなります。

まず、消費税の確定申告をしなければならないのは、原則として、法人であれば2事業年度前、個人事業者であれば2年前(これらの期間を「基準期間」といいます。)の課税売上高が1,000万円を超える場合です。
課税売上高とは、消費税が課税される取引の売上高となります。

このような場合、消費税額を計算して確定申告をし、消費税額を納付し又は還付を受けることになります。

消費税額の計算方法は、原則として、消費税が課税される取引の収益から消費税が課税される取引の費用を差し引くといった方法になります。

ただし、基準期間の課税売上高が5,000万円以下である場合には、届出をすることで簡単な計算方法によることが認められます。
そのための届出書が「消費税簡易課税制度選択届出書」です。

簡易課税制度による消費税額の計算方法は、消費税が課税される取引の収益から一定の比率によって計算された金額を費用として差し引くといった方法になります。実際の費用を分類・集計する必要がないのが「簡易」と呼ばれる所以です。

このため、基準期間の課税売上高が5,000万円以下である場合には、消費税額の計算方法についてどちらか選べることになります。これによって、消費税の負担が少なくなる方の計算方法を選択することができます。

前述の通り、簡易課税制度を選択しようとする場合には、「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です。
この提出期限ですが、原則として、「適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで」とされています。
「課税期間」とは、原則として、法人の場合は事業年度、個人事業者の場合は1月1日から12月31日です。

例えば、法人で2017年6月1日~2018年5月31日の事業年度の確定申告を簡易課税制度で行いたい場合は2017年5月31日まで、個人事業者で2018年分の確定申告を簡易課税制度で行いたい場合は2017年12月31日までが「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出期限となります。

なお、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した場合には、原則として、2年間は簡易課税制度の選択を取りやめることができません。

文章中「原則として」という言葉が多いと思いますが、これらに限らず実際の取り扱いは細かく規定されています。
今回ご紹介したのは、あくまでも概略となります。
実際に提出などご検討の場合は、税理士など専門家にお尋ねください。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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