年末調整2016~寡婦・寡夫控除編


11月も残すところあと2日です。

年末調整における給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書も明日までが提出期限とされている会社も多いのではないでしょうか。

年末調整は、その年最後に給与を支払う際に差し引かれる源泉所得税を調整して、その年分の所得税額を確定する手続きです。
この結果、今までに差し引かれた税金が戻ってくることが多くあります。

そのために提出するべき書類が上記の2つの書類ですが、今回は寡婦・寡夫控除です。

これらの言葉は、知る人しか知らないのではないでしょうか。該当する方は所得税の計算上27万円(特別の寡婦は35万円)が控除されます。

それぞれの定義は以下の通りです。

寡婦

本人が次の⑴、⑵のいずれかに該当する人

⑴ 次のいずれかに該当する人で、扶養親族又は生計を一にする子のある人

 イ 夫と死別した後、婚姻していない人
 ロ 夫と離婚した後、婚姻していない人
 ハ 夫の生死の明らかでない人

⑵ 上記⑴に掲げる人のほか、次のいずれかに該当する人で、合計所得金額が500万円以下の人

 イ 夫と死別した後、婚姻していない人
 ロ 夫の生死の明らかでない人

特別の寡婦

寡婦のうち、扶養親族である子を有し、かつ、合計所得金額が500万円以下の人をいいます。

寡夫

本人が、次の⑴、⑵、⑶のいずれかに該当する人で、生計を一にする子があり、かつ、合計所得金額が500万円以下の人

⑴ 妻と死別した後、婚姻していない人
⑵ 妻と離婚した後、婚姻していない人
⑶ 妻の生死の明らかでない人

補足説明

寡婦ですが、「扶養親族又は生計を一にする子」という表現に違和感を持たれた方もいるのではないでしょうか。

扶養親族の範囲には、里子が含まれ、給与の支払を受ける青色専従者や事業専従者が除かれています。

つまり、自分の実子に事業を手伝わせている場合は、「扶養親族」には該当しませんが、寡婦控除はできるということになります。
ただし、この「生計を一にする子」については、、他の所得者の控除対象配偶者や扶養親族になっていたり、所得金額の合計額が38万円を超えている人は含まれません。

「合計所得金額」と「所得金額の合計額(総所得金額)」は異なるものですが、繰越控除の適用を受けない場合には、同じものと考えて問題ありません。

申告書の記入ですが、申告書中央やや左下に、「2寡婦」「3特別の寡婦」「4寡婦」と書かれていますので、該当するものにマルをつけるだけです。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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