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年末調整2018_その2

2018年版年末調整の「その2」です。
「その1」では、記入用紙に変更が有り、2枚であったものが3枚に増えたことを取り上げました。
これは、今まで保険と配偶者に関する用紙が1枚であったものが、それぞれ1枚ずつになったことによるものです。
用紙が分かれたことには意味があります。

配偶者控除及び配偶者特別控除の改正

用紙が分かれたのは、配偶者控除及び配偶者特別控除の改正によるものです。
つまり、配偶者に関する記入項目が増えたため、保険関係と同一の用紙では、記入スペースが確保できなくなったことによるものです。
記入項目が増えたのは、改正により判定しなければならないことが増え、その判定を用紙の上で行って記入を進めていく方式になったためです。
よって、改正の内容を知らなくても、用紙に沿って記入していけば、記入が完了するようになっています。

結局何がかわった?

改正で何が変わったか知りたい。
そのような人のために、改正の内容を大まかに説明していきます。
分かりやすくするために、配偶者(特別)控除を受ける人は夫、その配偶者を妻とします。
改正の内容は以下の通りです。

  • 夫の合計所得が1,000万円を超えたら、適用なし
  • 夫の合計所得が900万円を超えたら、合計所得に応じて控除額が減額
  • 妻の合計所得の上限が76万円未満から123万円以下に増加

これらをみて、引っかかる部分があるとしたら、「合計所得」ではないでしょうか。
個人が収入を得る原因は、物を売ったり、事業を営んだり、会社に勤めたり、競馬で当たったりと、様々です。
これらは、それぞれ譲渡所得、事業所得、給与所得、一時所得などに分類されます。
これらの所得の合計が「合計所得」ということになります。

なお、「収入」と「所得」は異なります。どちらかと言えば、「所得」は「利益」に近いものとなります。
例えば、事業を営んでいたら、売上が収入、経費が支出、利益が所得といった具合になります。
一般的にいわれる「103万円の壁」については、以前のブログをご覧下さい。

「103万円の真実」へ

以下、詳細です。

夫の合計所得が1,000万円を超えたら、適用なし

以前は、配偶者特別控除のみ設けられていた制限ですが、配偶者控除も制限されることになりました。
配偶者特別控除と配偶者控除のとちらが適用されるかは、妻の合計所得によります。

夫の合計所得が900万円を超えたら、合計所得に応じて控除額が減額

今回新設された制限です。900万円以下の場合は制限の対象とはならず、1,000万円を超えたらそもそも控除の適用がありませんので、夫の合計所得が900万円超~1,000万円以下の場合にのみ影響があります。

妻の合計所得の上限が76万円未満から123万円以下に増加

以前は妻の合計所得が76万円以上であると、控除がありませんでした。
改正により、123万円までは控除できることになりました。

まとめると以下のようになります。

  • 夫の合計所得が900万円以下…妻の合計所得123万までは控除可能。妻の合計所得増加に伴ない控除額減少
  • 夫の合計所得が900万円超、1000万円以下…「900万円以下」の場合に加えて、夫の合計所得が増加する場合も控除額が減少
  • 夫の合計所得が1000万円超…控除なし

年末調整2018_その1

年末調整の季節です。
従業員などに給与の支払いをしている法人・個人事業者に対して年末調整関係書類が管轄の税務署から送られてきているのではないでしょうか。
お勤めの方は、事業者から既に関係書類を渡されているかもしれません。

この毎年の季節行事ともいえる年末調整ですが、本年分は一味違います。
以下、本年分の特徴をご紹介して行きたいと思います。

書類が一つ増えた

従来、各従業員に渡している書類は2枚でした。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書

の2枚です。
こうした書類が、今年から3枚になります。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書
  3. 給与所得者の配偶者控除等申告書

です。
ご覧の通り、従来の保険料控除兼配偶者特別控除申告書が保険料控除申告書と配偶者控除等申告書に分離されました。
では、なぜ分離されたのでしょうか。

これは税制改正により、配偶者に係る控除額の計算と判定が複雑になったためです。
これについては、次回ご紹介したいと思います。

なお、配偶者のいない方、つまり独身の方は、この「配偶者控除等申告書」の記入は不要です。

予算縮小?ICTの推進?

税務署から送られてくる年末調整関係書類ですが、3種類の書類が各1枚ずつしか入っていません。

これは、私が見た限りについての話ですので、全国的にそのようなになっているか確認は取れていないのですが、恐らく1枚ずつの封入が原則として行われているのはないでしょうか。
つまり、「コピーして使ってください。」という意図が込められていることになると思います。
これについては、行政サービスの低下として受け止める人もいらっしゃるかもしれません。

書類の部数は減少した理由を推察するのは、そう難しくありません。
予算の縮小とICTの推進です。

毎年予算が縮小されているという話を聞きます。
公表されている数値を確認たわけではありませんので、他に予算が振り分けられて縮小しているのか、全体的に縮小しているのか、その両方なのかはわかりませんが、予算が減らされれば、その影響は納税者に響きます。

もう一つはICTの推進です。
ICT(Infomatoin and Communication Technology)は、日本語で表すと「情報通信技術」、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。
最も単純に言ってしまえば、インターネットを活用したデータ処理の効率化、ペーパレス化ということになると思います。

現在、年末調整で必要になるこの3枚の申告書ですが、パソコンで入力することができるファイルが国税庁のホームページからダウンロードできるようになっています。
つまり、「手書きではなく、そちらを活用してください。」と意図があるではないでしょうか。

Googleのお裁き(過剰防衛編)

以前、Googleアカウントへのログインがブロックされたことを取り上げました。
その時は、ふとGoogleからメールが届き、その内容が「ログインをブロックしました。」というものでした。

単純に考えれば、私以外の誰かが私のアカウントにログインを試みて、Googleがブロックをしたということになり、心配になる内容です。
ただ、Googleによれば、Google以外のアプリからアカウントにログインしようとするとブロックすることになっているようで、その時はメールソフトが関連しているのかと思いつつも、念のためパスワードを変更して、現在に至っている状況です。
確固たる原因は分からないままですが、自分以外がログインを試みた時にしっかりとブロックしてくれたということで、「適切防衛編」とタイトルをつけました。

今回は、「過剰防衛編」

以前の「適切防衛編」と区別するために、「過剰」と書いていいますが、過剰かどうかは人それぞれであると思います。
今回は、Googleアカウントのログイン画面でIDとパスワードを入れて実行したところ、次のメッセージが現れました。

「この端末は認識されていません。セキュリティ保護のため、Google では本人であることを確認する必要があります。」

「何で?」と思ったものの、続いて読むと、次の説明があります。

「確認コードが記載されたテキスト メッセージを受け取る電話番号を入力してください。」

ここで、電話番号を入力すれば、ショートメッセージなどで確認コードが送られてきて、それを入力すれば本人確認は終了ということになり、ログインできるようになるのだと思います。

しかし、元々アカウントを作成するときに電話番号を登録していないこともあり、メッセージ画面には「他の方法を試す」といった内容の案内もあったので、いろいろ試してみたのですが、どれもうまくいきません。
Googleのヘルプページを見ても、「スマートフォンを使用してログインする」というものが案内されています。
こちらもアカウント作成時に登録した内容の他に、新たに本人と識別できる情報の提供が必要となっているようです。

結局、そのままログインすることはかなわなかったのですが、再度冒頭のメッセージを見てみると、「この端末は認識されていません。」とあります。
「この端末は…」ということは、認識されている端末があるということではないかと気づき、別端末からログインを試みたところ無事に成功しました。

「適切防衛編」でも書きましたが、Googleアカウントに通常ログインしている端末以外からの端末からログインが試みられると、基本的にブロックされる仕組みで、そのブロックをその流れで解除するには本人確認が必要となるようです。
アカウントの設定などで、新たにログインを試みた端末が不正なものではないとわかれば、以後その端末からもログインができるようです。

適切か過剰かは見方次第

お気づきかも知れませんが、今回は「適切防衛編」でいうところの、「あなたのパスワードをつかって、Google以外のアプリからアカウントにログインしようとした人」が自分であった場合に起こる話です。

今や正しいIDとパスワードが入力されても、それだけでは本人とはみなされず、更なる確認が要求されることも当然のように行われるようになってきました。

我々税理士がよく使用するe-taxもIDとパスワードを用いますが、そのような方向に進んでいるのかもしれません。
事実、2019年から個人のメッセージボックスの閲覧には、マイナンバーカードが必要とされることになっています。
個人の確定申告に関する情報が格納されるメッセージボックスは、まさしく個人情報ですので、その管理を強化する狙いがあるようです。

セキュリティやその管理が強化されることによって、新たな手続きが必要になったりすることもあるわけですが、これらを踏まえてそれが適切か過剰かを判断するのは、それぞれその人の見方次第なのかも知れません。

青色申告の取消し

あまり税金の用語がニュースになることは無いのですが、ここ数日ニュースに取り上げられているものがありました。
このブログのタイトルは、「青色申告の取消し」としていますが、正しくは「青色申告の承認の取消し」です。この「青色申告の承認の取消し」にまつわる報道がされていました。
報道の詳細は、ここで説明するよりは、ネット検索などしてもらえればすぐに見つかると思います。

報道や疑惑の真偽はさておき、もし口利きで「青色申告の承認の取消し」という行政処分に「待った」がかかるようなことがあったとしたら、大問題です。
事業を行い正しく申告している納税者はもちろんのこと、「青色申告の承認が取り消されたら大変ですので、きちんと処理しましょう。」と助言している我々税理士においても、その意味自体が揺らぐ問題です。
今回、口利きがあったかどうかは別として、行政処分はそのまま下ったようですが、当然と言えば当然の結果なのかもしれません。

青色申告の承認とは

「青色申告」という言葉は聞いたことがある人も多いと思います。
ただ、「青色申告をすると税金が安くなる」という認識やイメージだけが先行してしまっている感も否めません。

確かに、青色申告をすることによって税制面で優遇を受けることができるという結果、税金が安くことがありますので、その認識やイメージが間違えているというわけではありません。

しかし、青色申告には義務も生じます。
その一部を紹介すると、例えば法人税法では、「帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。」(一部抜粋)という規定があります。

つまり、青色申告とは、「義務を果たすから、優遇してね。」というものになります。
そのため、青色申告をするためには、まず申請書を提出して、その承認を受ける必要があるわけです。
なお、青色申告の「青色」とは、こうした承認を受けた事業者の申告書が青色であったのがその由来です。

青色申告の承認の取消し

文中にもある通り、青色申告の承認が取り消されたら大変です。
ひと言でいってしまうと、取り消しの理由となる事実があった事業年度まで遡って、青色申告の承認が取り消されてしまうからです。
この場合、たとえその取り消しがあった事業年度後の事業年度について青色申告をしていたとしても、青色申告として認められません。
つまり、青色申告によって受けていた優遇は、取消事業年度以後はすべてなかったものとして扱われることになります。

Googleのお裁き(適切防衛編)

現在では、ID・パスワードを1つも持っていないという人はほとんどいないのではないでしょうか。
会計や税務の分野でも、クラウド会計やe-taxなど、ID・パスワードを利用する環境が多くあります。

ID・パスワードが最も多く発行されているといえば、Googleアカウントなのかもしれません。
androidスマホのユーザーは、その利用開始時にGoogleアカウントが作成されますし、その他個別にGmailを利用している人も多いと思います。

そのような中、Googleから1通のメールが届きました。

ログインをブロック

その内容は「ログインをブロックしました。」というものです。
その後の説明を読んでみると、「あなたのパスワードをつかって、Google以外のアプリからアカウントにログインしようとした人がいます。Googleでブロックしましたが、状況をご確認ください。」とあります。
ぞっとする内容です。

補足ですが、このアカウントのパスワードは容易に推測できるものではなかったと考えています。
当時は11桁のパスワードです。もちろん記号や数字も含まれています。
記号が10種類とすると、パスワードとして利用できる文字はアルファベットが小文字だけだとしても、アルファベット26文字、記号10文字、数字10文字で、26+10+10=46ですから、11桁のパスワードは、46の11乗で、1,951,354,384,207,720,000(約195京。京は兆の次の位)通りです。

この桁数のパスワードが現在の技術的に安全といえるものなのかどうかは分かりかねますが、通常パスワードを設定する時に8桁以上のパスワードの設定が推奨されていることが多く見受けられますので、パスワードが解読されたとは考えにくいのではないでしょうか。

となると、考えられるのは、パスワードが盗まれたかその他の原因かということになりそうです。
その他の原因というのは、上記のGoogleからの説明の中に気になる部分があります。
「Google以外のアプリから~」の部分です。

解釈が正しいのかは分かりませんが、例えばGmailをメールソフトで読み込んでいる場合、そのメールソフトは「Google以外のアプリ」ということになるのではないかということです。
ただ、その場合、メールソフトがGmailと同期するごとに、ブロック通知が来ることになりそうですが・・・。
いずれにしても、気味が悪いということもあり、今回はパスワードを変更しました。

Googleが自動でブロック

このGoogleからのブロック通知ですが、Googleアカウントに通常ログインしている端末以外からの端末からログインが試みられると、自動的にブロックされる仕組みとなっています。

つまり、androidスマホで作成されたGoogleアカウントのGmailを、パソコンやタブレットで見ようとした場合、基本的にはブロックされ、スマホの方へブロック通知がされるという仕組みです。
ブロックを解除するには、所定の手続きが求められます。

今回の件は、恐らくメールソフトとの関係が原因ではないかとは思うものの、Googleのお裁きによって不正アクセスが防がれたと、前向きに捉えたいと思います。

災害にあったとき

前回、災害が発生した場合、その状況によって災害救助法が適用され、その適用に伴なって他のことも動き出すことを取り上げました。
災害救助法の適用が関係するのかどうかは分かりませんが、税金に関しても災害に関する取り扱いがあります。

税金に関する手続きで、最も注意しなければならないことは、そのほとんどに期限が設けられているということです。
その手続きは、申告、申請、届出そして納税と様々ですが、これらの期限を過ぎてしまうと、その適用が認められなかったり、加算税や延滞税など通常より多くの支出が必要とされたりなど、不利益を被ることがあります。
これらの税務手続きを行わなければならない者が、災害にあってしまった場合も、通常の期限内に手続きを行わなければならないのでしょうか。

答えは、「NO」です。

税務手続きにおいても、災害にあってしまった場合には、期限を延長するなどの特例措置が設けられています。

大元の規定は国税通則法

国税通則法は、国税に関する原則的な取り扱いなどを定めた法律ですが、これに「災害等による期限の延長」として、その取り扱いが定められています。
その内容を見てみると、「災害等のやんだ日から2月以内に限り、期限を延長」ということが記載されています。
これを見る限り、何となく2月以内というイメージをもつのではないでしょうか。
ただ、「2月以内」の前に「災害等のやんだ日」とあります。この日はいつの日を表すのでしょうか。

3つに区分

この「災害等による期限の延長」の規定は、その取り扱いとして3つに区分されます。
一般的にこの3つはそれぞれ、地域指定、対象者指定、個別指定と呼ばれています。

地域指定

災害による被害が都道府県の全部や一部にわたるなど広い地域に及ぶ場合には、国税庁長官が延長する地域と期日を定めて告示します。
指定された地域の者は、その告示された期日が延長の期限となります。

対象者指定

国税庁が運用するシステムが使用不能となった場合などに、国税庁長官が延長する対象者の範囲と期日を定めて告示します。
指定された対象者は、その告示された期日が延長の期限となります。

個別指定

税務署長等に期限の延長を申請し、その承認を受けることにより延長されます。
その承認を受けた期日が、延長の期限となります。

如何でしょうか。
規定に「災害等のやんだ日から2月以内」とはあるものの、実際には、告示で定められた期日や承認を受けた期日が延長期限となります。
逆に考えると、これらの日の2月前の日が、災害等のやんだ日ということになるのかもしれません。

国税通則法はあくまでも原則

先にも述べましたが、国税通則法は国税に関する原則的な取り扱いなどを定めた法律です。
つまり、原則があれば、例外もあります。

ここでいう例外とは、例えば、法人税法や所得税法など個別の税法などで定められているものです。
このような形で定められているものは、その内容が国税通則法のものと異なることがありますが、そのような場合には、どちらが適用できるのかなど注意をする必要があります。

被災した時

久々の更新ですが、未更新の間、日本の各地で自然災害が多く発生しました。
7月の豪雨による四国・中国・近畿地方の豪雨による災害、台風21号による近畿地方を中心とした災害、そして9月6日に発生した北海道の地震による災害。
いずれの災害も日常とかけ離れた光景が報道され、強い衝撃を受けるものばかりです。

災害により被害を受けられた皆様方に、心からお見舞い申し上げます。

災害が発生すると、様々なものが被災者の方に必要とされることは想像に難くありません。
食糧・衣料・住居といった衣食住はもとより医療なども必要になり、少し時間が経てばお金も必要になるでしょう。

災害救助法

被災された方々に対して、迅速に必要な支援を。と誰しもが思うところです。
日本にはそれを後押しする法律があります。「災害救助法」です。

災害救助法は、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に必要な救助を行い、被災された方々の保護と社会秩序の保全を図ることを目的と制定されている法律です。
災害救助法による救助は、都道府県知事が行い、市町村長がこれを補助する形で実施されます。

救助の種類は次のとおりとされています。

  1. 避難所及び応急仮設住宅の供与
  2. 炊き出しその他による食品の給与及び飲料水の供給
  3. 被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与
  4. 医療及び助産
  5. 被災者の救出
  6. 被災した住宅の応急修理
  7. 生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与
  8. 学用品の給与
  9. 埋葬
  10. 前各号に規定するもののほか、政令で定めるもの

災害救助法適用の先

災害救助法の適用されれば、上記の救助が実施されることになりますが、これに応じて他のことも動き出します。
例えば、日本銀行からは災害救助法の適用を受けて、民間の金融機関や証券会社、保険会社などに弾力的・迅速な対応に努めるよう要請がされます。

具体的には、例えば金融機関では、通帳を紛失した場合でも、災害被災者の被災状況等を踏まえた確認方法をもって預金者であることを確認して払戻しに応ずることや、印鑑のない場合には、拇印にて応ずることなどが要請されます。
このほか、損傷した紙幣や貨幣の引換えに応ずることに要請されます。

こうした要請は「金融上の措置」といわれていますが、分かりやすい資料が日本銀行高松支店のホームページに掲載されていましたので、リンクを貼っておきます。

http://www3.boj.or.jp/takamatsu/image4/saigai.pdf

税理士ということもあり、お金に関する内容を掲載しましたが、被災後時間が経てば経つほど金銭の重要性が増してくるのも事実なのではないでしょうか。
もちろん、税金の支払が免除・軽減されたり、手続きの期間が延長されたりという税制上の措置もありますが、こちらはまた別の機会にご紹介できればと思います。

印紙が新しくなります。

収入印紙。
日常生活において、頻繁に使用することは無いかと思いますが、全く使用したことが無いという方も少ないのではないでしょうか。

手続きや申込みなどの際に、収入印紙の貼付を要求されることがあります。
例えば、税理士試験では試験料相当額の印紙を貼付して試験の申込みをします。
税理士試験は国家試験なので試験の主催者は国となります。試験料を印紙税という形で収受しているということになるのではないでしょうか。

その他にも契約書や領収書などにも印紙が必要になることがあります。
これらは事業を営まれている方については、既知のことと思います。

さて、この収入印紙ですが、この度リニューアルされことになりました。

適用は平成30年7月1日から

収入印紙の新形式は、平成30年7月1日から適用が開始されます。

新形式となった背景には、偽造防止策の強化があるようです。
3年ほど前には、各地の郵便局に偽造された約85,000枚が持ち込まれ、本物と交換されてしまうという被害もあったようです。

印紙の種類は結構多い

収入印紙の種類はいくつあるかご存知でしょうか。
現行では31種類あります。

最低額は1円ですが、最高額は10万円です。
10万円の収入印紙。当たり前ですが、現金10万円と同等の価値のあるものです。
印紙の風体からはその価値が分かりにくいですが、うっかり紛失というわけには行かないものとなります。

改正されるのは19種類

今回形式が改正されるのは19種類の印紙です。200円以上の印紙が全て改正されます。
反対に1円から120円までの印紙は改正されず、現行どおりとなります。

今回の改正は偽造防止策強化が目的ですので、最高券額の10万円券は当然の改正となりますが、200円券が改正の区切りとなったのは、印紙税の最小課税額が200円であり、最も多く利用されるからではないでしょうか。
120円以下の印紙が改正されなかったのも、製造コストや偽造による被害額リスクが考慮されたと考えるのが妥当ではないでしょうか。

なお、今回取り入れられた偽造防止技術ですが、印紙の券種ごとに異なっています。
ここでもコストパフォーマンスが考慮されたことが見て取れます。

従前の印紙も使えます

「形式が改正されたのはいいが、今まで持っていた印紙は使えるの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん使えます。
新しい形式のものに交換を要するということもないようです。

司法取引日本版

来月の6月1日から、日本版司法取引が導入されます。
司法取引というと、映画などで情報提供等を条件に自身の罪を軽くするというシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
映画のシーンさながらかどうかは分かりませんが、他人の犯罪を明らかにすれば見返りに罪が軽くなるという、日本版司法取引が導入されます。

導入の背景には、日本の捜査当局は他国と比べて証拠収集の手段が少なく、自白に偏重しているという問題意識があるようです。
取り調べの録音録画の義務化と合わせて導入が決まったそうです。

司法取引には、自分の罪を認める代わりに有利な取扱を受けるものと、他人の事件の捜査や公判に協力して見返りを得るものとがあり、アメリカなどでは司法取引として両方が認めれているのに対し、日本は後者のみです。
「日本版」といわれる由縁かもしれません。

また、「司法取引」という言葉が独り歩きしていますが、政府では「協議・合意制度」と呼んでいるそうです。
実際、改正された刑事訴訟法に「司法取引」という言葉があるわけではなく、「証拠収集等への協力及び訴追に関する合意」という章が新設されたものになります。
「司法取引」という言葉のイメージが良いと思われていないのかもしれません。

ただ、「司法取引」と表現したほうがインパクトはありますので、このまま「司法取引」で行きたいと思います。

司法取引の対象

全ての犯罪について司法取引が成立するわけではなさそうです。
法律にも「特定犯罪」として記載されています。また、その他にも司法取引が成立する条件が様々と記載されています。

では「特定犯罪」が何を示すのか。気になるところではないでしょうか。
先程、全ての犯罪が対象ではないといいましたが、対象となる犯罪が少ないわけではありません。
刑法の一定の犯罪(贈収賄、詐欺など)、組織的犯罪処罰法の一定の犯罪(組織的詐欺など)、覚せい剤取締法、銃刀法などの薬物銃器犯罪などの他、租税に関する法律や独占禁止法、金融商品取引法など、財政経済関係犯罪についても対象となっています。

なお、財政経済関係犯罪については別途政令で定めれれていますが、そこに列記されている法律の数は48もあります。

税理士として目に付いてしまうのは、やはり「租税に関する法律」です。
税金に関する法律はとても多いので、このような表現になったのではないでしょうか。

脱税のニュースなどで「法人税法違反、所得税法違反」などと見聞きすることがありますが、法人税法、所得税法といった法律は正しく「租税に関する法律」です。
ただ、税法が対象となるとしても司法取引に関することですので、税理士が関わる事はまずないのだろうと思います。

特別徴収税額の納期の特例

個人住民税の特別徴収。
「特別」とありますが、なんのことはない。単なる給与からの天引きのことを表します。

個人住民税の徴収方法は2種類あり、「普通徴収」と「特別徴収」があります。
「徴収」とあるのは、自治体側からの視点となっているためです。

徴収方法が2種類あるのであれば、その方法が任意に選べるのかといえば、そうではありません。
法律上の取り扱いでは、特別徴収が原則で、一定の場合に普通徴収が認められるという形になっています。

数年ぐらい前までは、実際の取り扱いについては柔軟なところもありましたが、昨今では「特別徴収を徹底します。」と自治体が宣言するなど、特別徴収を徹底する取組は、全国的に展開されています。
他聞にもれず、埼玉県、さいたま市もこの取り組みを進めています。

特別徴収で収納率アップ?

特別徴収でも、普通徴収でもその個人が納める税金の額は変わりません。
法律に定められているとはいえ、なぜ特別徴収が徹底されるのかといえば、税金の収納率が影響するのかも知れません。

個人住民税を負担するのは、もちろんその個人ですが、普通徴収の方法ではその個人が直接納付します。
一方、特別徴収の方法では事業者がその個人から納付税額を給与から天引きする形で預り、納付します。つまり、間接的な納付です。

ここで重要なのが、給与等を支払う事業者は特別徴収義務者となり、納付義務が生じているところになります。
給与から天引きして納付することとなっていますが、たとえ天引きしていなくても納付義務がなくなることはありません。
各個人から徴収するか、事業者から徴収するか、収納率が高いのは・・・、ということなのではないでしょうか。

特別徴収税額の納期

特別徴収の通知は事業者に届きます。
5月31日までに通知をしなければならない。とされていますので、既に通知が届いているものもあるのではないでしょうか。
通知の内容を見れば分かりますが、原則は翌月の10日までに納付しなければなりません。
6月分の特別徴収額の納付期限は7月10日までとなるのが原則です。

特別徴収税額の納期の特例

上記のように毎月納付するのが原則ですが、給与等の支払いを受ける人が常時10人未満である特別徴収義務者は、年2回に分けて、まとめて納付することができます。
2回に分かれる期間は以下の通りです。

  • 6月分から11月分までを12月に納付
  • 12月分から翌年5月分までを翌年6月に納付

この制度を納期の特例といいますが、この特例を受けるためには申請書を提出し、承認を受ける必要があります。
承認については、申請月以降の分について承認となり、その月の20日頃までに申請が必要としている自治体が多いようですが、詳細は各自治体に問い合わせたほうが良いかと思います。

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さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

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