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司法取引日本版

来月の6月1日から、日本版司法取引が導入されます。
司法取引というと、映画などで情報提供等を条件に自身の罪を軽くするというシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
映画のシーンさながらかどうかは分かりませんが、他人の犯罪を明らかにすれば見返りに罪が軽くなるという、日本版司法取引が導入されます。

導入の背景には、日本の捜査当局は他国と比べて証拠収集の手段が少なく、自白に偏重しているという問題意識があるようです。
取り調べの録音録画の義務化と合わせて導入が決まったそうです。

司法取引には、自分の罪を認める代わりに有利な取扱を受けるものと、他人の事件の捜査や公判に協力して見返りを得るものとがあり、アメリカなどでは司法取引として両方が認めれているのに対し、日本は後者のみです。
「日本版」といわれる由縁かもしれません。

また、「司法取引」という言葉が独り歩きしていますが、政府では「協議・合意制度」と呼んでいるそうです。
実際、改正された刑事訴訟法に「司法取引」という言葉があるわけではなく、「証拠収集等への協力及び訴追に関する合意」という章が新設されたものになります。
「司法取引」という言葉のイメージが良いと思われていないのかもしれません。

ただ、「司法取引」と表現したほうがインパクトはありますので、このまま「司法取引」で行きたいと思います。

司法取引の対象

全ての犯罪について司法取引が成立するわけではなさそうです。
法律にも「特定犯罪」として記載されています。また、その他にも司法取引が成立する条件が様々と記載されています。

では「特定犯罪」が何を示すのか。気になるところではないでしょうか。
先程、全ての犯罪が対象ではないといいましたが、対象となる犯罪が少ないわけではありません。
刑法の一定の犯罪(贈収賄、詐欺など)、組織的犯罪処罰法の一定の犯罪(組織的詐欺など)、覚せい剤取締法、銃刀法などの薬物銃器犯罪などの他、租税に関する法律や独占禁止法、金融商品取引法など、財政経済関係犯罪についても対象となっています。

なお、財政経済関係犯罪については別途政令で定めれれていますが、そこに列記されている法律の数は48もあります。

税理士として目に付いてしまうのは、やはり「租税に関する法律」です。
税金に関する法律はとても多いので、このような表現になったのではないでしょうか。

脱税のニュースなどで「法人税法違反、所得税法違反」などと見聞きすることがありますが、法人税法、所得税法といった法律は正しく「租税に関する法律」です。
ただ、税法が対象となるとしても司法取引に関することですので、税理士が関わる事はまずないのだろうと思います。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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