Monthly Archives: 12月 2017

国際戦略トータルプラン取組状況

国税庁が公表している「国際戦略トータルプラン」の取組状況が公表されています。
「国際戦略トータルプラン」は、国税庁が国際課税への取組を重要な課題と位置付け、国際課税の取組の現状と今後の方向を取りまとめたものです。
昨年の10月にこのプランが公表されましたが、今回はその取組状況となります。

調査事例等

取組状況として公表されたのは、「国税庁における調査・徴収に係る取組状況」で、いわゆる調査事例等です。
つまり国際課税に関してこんな調査等を行いました。というものです。

積極的に調査等を実施しているものとして、富裕層や海外取引のある企業による

  • 海外への資産隠し
  • 国外で設立した法人を利用した国際的租税回避
  • 各国の税制・租税条約の違いを利用した国際的租税回避

が挙げられています。
これらについて課税漏れがあるのではないかと課税庁側では疑念をもっているとみることができるわけです。

実際の調査等に当たり、課税庁側では様々なところから情報を得て行われています。
国外送金等調書、国外財産調書、財産債務調書などの調書はその情報源の一例です。
このほかにも租税条約等に基づく情報交換要請や徴収共助制度なども活用されているようです。

今回公表された取組状況では14の事例が掲載されていますが、どのような情報が活用されたのかも掲載されています。
一例を挙げると、国外送金等調書(送金)の活用事例として、外国の知人と通謀して架空経費の計上により資金を国外に留保していた事例が掲載されています。

このような調査事例は、その内容について納税者側から不服申し立てが行われて争われない限り、通常その内容について知ることはありません。
もちろん固有名詞などは除かれて、内容も一般化されたうえでの公表ですが、こうした調査事例を公表するということは、注意喚起の意味も含まれているように思えます。

裁決や判決とは異なり、図解もされていて判りやすいのですが、そもそもこうしたものに目を通すとすれば、それなりに限られた人達といえそうです。
税理士もその限られた人達の中に入ると思いますが、税理士は納税者と関わる仕事です。
「このような事例があるから注意してね」と課税庁側からいわれているような気がします。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-8-18-303

営業時間 平日9:00~18:00

関東信越税理士会浦和支部所属

お問い合わせはこちらから

免責事項

当サイトに掲載する情報に関しまして、細心の注意、調査を行って掲載しておりますが、当サイトのすべてに関して、誤りや変更などに伴うくい違いが含まれる場合もございます。従いまして、これらの正確性および完全性を保証するものではありません。当サイトで公開している情報もしくは内容をご利用されたことで、利用者もしくは第三者の方が直接又は間接的に被害を生じた場合について、当人は一切責任を負うものではありません。