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年末調整入力用ひな型・後編

(「中編」からの続き)

年末調整の書類は、手書きで行わなければならないという決まりはありませんが、記入用紙に記入するということで必然的に手書きとなとなります。記入欄には押印箇所もあり、押印をすることで署名捺印となり、本人から提出されたものとして取り扱われていたのが現状です。

国税庁で入力用のひな形が掲載されている以上、手書きの必要がないことは明らかです。また書類には押印欄がありますが、もはや形骸化してしまっているのではないでしょうか。

パソコンで作成した書類を印刷して押印し、本人から手渡しされるのいうのであれば、本人が確認しているものとして扱うことができると思いますが、のちに書類を見直した場合、その時にはそれが本人記載のものかどうかは、その書類だけでは判断できません。
また、メールでもメールアドレスは本人のものという確認ができますが、本人が作成したという確証はありません。

法律上あるのは提出義務のみ

これまで、本人が作成、本人から提出などと取り上げてきていますが、所得税法に明記されているのは、「申告書を提出しなければならない」ということだけで、特に本人が記載しなければならないとは書かれていません。

ただ、年末調整の処理をする側、つまり事業者にとってみれば、本人が直接作成していなくとも、少なくとも記載内容について本人が承知しているものでなければ、リスクを伴なうことになります。
いわば、本人作成又は本人確認は実務上の運用ということになります。

実際のところは、今までは本人が事業主に提出しているということがほとんどであったと思いますし、入力用のひな型ができたからといって、それを印刷して提出された場合も同様となると思います。
また、メール提出についても、本人の提出として扱われるようになるのではないでしょうか。

どちらかというと、性善説による考え方なのかもしれません。

マイナンバーに注意

年末調整の際に記載する書類の1つ、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、マイナンバーを記載する箇所があります。
ただ同一の事業主に既にマイナンバーを記載したこの申告書を提出している場合には、今回の申告書にはマイナンバーの記載は不要となります。

具体的には、前年と職場が同じであれば、前年の年末調整の際にマイナンバーを記載した申告書を提出しているはずですので、本年は記載不要ということになります。

マイナンバーは、税と災害と社会保障のために用いられるものとされ、マイナンバーを取り扱う事業者に対して厳重な管理が求められています。
マイナンバーを持つ本人自体に厳重な管理が求められているわけではありませんが、マイナンバーの漏洩は不法行為などの糸口になりかねませんので、その管理に注意を払うべきものであることには変わりありません。

入力用のひな型を利用して作成した場合、そのデータは容易に複製することができてしまいます。
不必要な情報は記載しないほうが、リスク管理の面でも役立ちます。

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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