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年末調整入力用ひな形・中編

前回に引き続き、年末調整入力用ひな形、今回は中編です。
(恐らく)今年から、国税庁のホームページで入力用の年末調整に関する書類のひな形が掲載されていることは、前回もお伝えしました。
ICT利活用の促進や経費の削減が目的であろうことも前回述べた通りです。

パソコン上で入力ができ、印刷する必要もなくデータで受け渡しができることはよいのですが、多少の疑問が湧いてくることもあります。
今回はこれらについて取り上げてみたいと思います。

代筆が容易に可能

年末調整に必要な書類である、給与所得者の扶養控除等(移動)届出書と給与所得者の保険料控除兼配偶者特別控除申告書は、事業主が従業員等にこれらを渡して、従業員等が必要事項を記載し、添付書類をつけて事業者に提出するというのが原則の流れとなります。
事業者はその提出された書類をもとに年末調整を行い、その年最後の給与等の支払いの際にその年分の所得税を清算することになります。

このことからもわかる通り、書類の記載は原則その個人が行うことになります。旦那さんの書類を奥さんが記載するなんてことはあるかもしれませんが、書類の記載内容は、住所、氏名、生年月日、家族構成、保険の加入など、個人情報満載ですので、家族以外の人が記入するということはほとんどないと思います。
ただ、旦那さんに配布された書類を奥さんが記載したとしても、筆跡をみれば奥さんが記載したことは調べればわかることですので、記載された内容についても後で確認をすることができます。

これがパソコン上で入力できるとなると、勝手が異なります。

パソコンで入力したものを印刷して提出されたものはもちろんですが、事業主にメールなどでデータが送られてきたとしても、厳密に考えれば誰が作成したのかまでは分かりません。
これが何を意味するのかといえば、責任の所在が明らかとならないということになります。

例えば、事業者が従業員から「前年と同じだから作っといて」などと言われて、作成することができてしまいます。必要な添付書類だけ後からもらえば成り立ってしまいます。

これは、後々記載内容などが間違えており、正しい税額が計算できなかった場合などに問題になる可能性があります。
従業員自らが記載したものが間違えているのなら、それは従業員の自己責任です。奥さんが代筆していたとしても家庭内の問題に留まるはずです。

ただ、事業主が作成したうえ間違えていたとなれば話は別です。従業員からそうした要望があったとしても大抵このような場合口約束だと思いますので、最終的には水掛け論になってしまうことも考えられます。

間違いが判明したとしてもほとんどの場合、後の修正は可能ですが、余計な事務手続きが必要になります。
本人の確定申告による修正となると、さらに面倒になります。
このほかにも、例えば会計事務所に勤務していた経験があるなど書類の書き方を知っている人が、知り合いなどを集めてその人の代筆をし、小遣い稼ぎをするなんてことも考えられます。(後編へつづく。)

さいたま市緑区の税理士 渡辺税務会計・KWAT

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関東信越税理士会浦和支部所属

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